いわゆるA級戦犯―ゴー宣SPECIAL
タイトルの「いわゆる」の意味がひしひしと伝わってきて、小林氏のバランス感覚に思わず脱帽である。一気に読了したら熱いものがこみ上げてきた。全ての日本人が読むべき良書であると思います。
パール判事の日本無罪論 (小学館文庫)
「東京裁判」を指揮したマッカーサーは、パール判決文が世界の目に触れるのを恐れた。それはパール判決文こそが「真実」だと気づいていたからである。そしてマッカーサーはその後「東京裁判」は間違いだったとトルーマン大統領に告白している。
A級戦犯とされた人々は、「共同謀議により残虐行為を命令し許可した」という罪で処刑されたが、ナチスが共同謀議によりユダヤ人の大量殺戮を命令し許可した事実とは裏腹に、日本の責任者にはそのような事実は全くなかった。さすがの検察側もこの点に気付き、論点をすり替えた。すなわち中国の協力を得て「南京事件」を捏造した。皮肉な事に、太平洋戦争で「共同謀議により残虐行為を命令し許可した」人物は、原爆投下を命令したアメリカ軍の指導者だけである。そして、ソ連が満州侵入時に犯したすさまじい略奪、暴行などの国際法上の戦争法規違反に関しては裁判で一言も触れることは許されなかった。南京事件を外交カードとして利用する現在の中国や、石油の利権をめぐりチェチェンに侵攻する現在のロシアの姿となんら変わっていない。加えて、このような冤罪でA級戦犯とされた人々が眠る靖国神社への参拝を平然と非難する中国の日本に対する侮辱が許されるはずもない。
パール判事の「東京裁判には、当時起こった事件に興奮した、あるいは偏見の眼をもった観測者だけによって目撃されたであろうという特別の困難がある」という言葉を全ての日本人が知るべきである。そして、自虐的日本観の持ち主は、まず本書を読んでから議論してもらいたいものである。