翔んだカップル [DVD]
以下の書籍に当った上でいいます。
この奇跡のような作品の栄誉は、監督と脚本家と原作者で三等分すべきです。
・原作コミック全15巻
・相米慎二監督へのインタビュー本『相米慎二 映画の断章』
・本作のシナリオ収録『日本映画シナリオ選集'80』
・『映画芸術 相米慎二特集』
・長谷川和彦と相米監督の対談収録『月刊シナリオ』1980年8月号
(出版社許可済みのサイト『長谷川和彦全発言』で読めます)
ネット上の映画評論家なんかの本作の評を見ると、「他愛のないラブコメ漫画を傑作に仕上げた」的なことがよく書かれてますが、柳沢きみおの原作ももともと傑作です。
これらの中では、あまり読んでる人はいないであろう、『日本映画シナリオ選集'80』が必読です。
「監督は脚本家にプレッシャーやダメ出しを繰り返したが、シナリオ執筆にはほとんど参加していない(撮影時の変更点はある)」と推定(根拠はあります)した上で言いますが、本作における、動的な、視覚的な、映画的なシーンの多くは、すでに丸山昇一のシナリオに書き込まれてます。
ヘッドフォンしているので、怒鳴っている圭の言葉が聴き取れない。こういう細部もシナリオにすでにあります。
そのことに感嘆すると同時に、粗編集後に時間制限のためにカットされた「3分の1」部分を推測する愉しみも味わえます。
シナリオ上では、圭と勇介が最初に出会うのは、駅の改札付近なのですよ。
本編のトイレのシーンまでに、それを含む、勇介の合格発表日などのシーンがあったのです。撮影されたかどうかは定かではありませんけど。
薬師丸ひろ子 限定プレミアムBOX [DVD]
薬師丸さんは,所謂普通の「お嬢様」とは違うけど,独特の「お嬢様」感があって,独特な存在感のある女優さんですね。特別好きなタイプということでもないのですが,何故か彼女が映ると観てしまいます(最近でも時々TVドラマに出演すると,ついつい観てしまいます)。正直,私は日本映画は総じて嫌いですが,薬師丸さんの映画は結構観ました。映画の出来云々ではなく,彼女の存在自体にオーラのようなものを感じるのです。
このボックスには,「翔んだカップル オリジナル版」「セーラー服と機関銃」「メイン・テーマ」が収録。バラだと1作5千円くらいするのでファンならお買い得です。
余談ですが,彼女は歌も良いですね。これまた特別上手い訳じゃないんですが,不思議な魅力ある声をしています。曲自体も良く,映画に一花添えています。