合い言葉は勇気 (角川文庫)
今までシナリオ本は読みにくい物だと思っていましたが、この本でその考えが一変しました。
ストーリーの面白さに引き込まれるのはもちろんのこと、まるで実際の映像を見ているような錯覚を覚えます。
実は私はTV放映を見ていないので、他の方も書いておられますが、DVD化を切に望みます。
合い言葉は勇気 完全版(1) [VHS]
稀に見る秀逸な作品。大人にはぜひ見て欲しい。
これはいわば「鶏鳴狗盗」の物語。くどすぎて使えない三流役者だが、セリフを与えて演説させればその説得力の高さでは右に出るものはいないという男が、ひょんなことからニセ弁護士となって思わぬ大活躍をするというストーリ-。
尊敬すべき弁護士がニセモノだということを隠すための必死な様子、素人ゆえの法廷でのはちゃめちゃなやり取りなど見所は文句なくたっぷり、げらげら笑ってしまう。
実はこのドラマ、放送では視聴率があまりよくなかったんだよね。作品にはまったく問題ない。宣伝の問題なのか、放送枠の問題なのか、第一回が地味だったからか。でも回数を重ねるたびにどんどん盛り上がるから見逃した人は本当にもったいないと思う。ピークの最終回には「こんないい加減な男でも誠心誠意やれば…」と感動させられる。
だらしない三流役者役を役所広司が好演、とても魅力的だ。香取慎吾や鈴木京香やその他三谷系役者もとてもいい。悪役の弁護士津川雅彦は適任だ。
服部隆之の音楽とこのドラマがきっかけに頻繁に流れるようになったエルガー「威風堂々」もこの作品を大いに引き立ててる。
合い言葉は勇気 完全版(2) [VHS]
役所広司さんのうそ弁護士役がさいこうです。
売れない役者が村の救世主になるのです。
一風変わったヒーロードラマです。
スマップの香取君も出てて、彼もまたいい雰囲気をかもし出しています。
お勧めです!!
合い言葉は勇気
まえがきを見ればわかる通りこの作品は三谷さんが好きな要素が余す事なく詰め込まれた作品なんです。
そのためか読んでいて、三谷さん自身とても楽しんでこの作品を書いているような印象を受けました。
最後までどっちに転ぶか判らないストーリー展開や三谷さんらしいコメディ要素には楽しませてもらいました。
登場人物は皆個性的で、悪役もどこか憎めない一面を持っていたりします。
主役から脇役まで誰一人欠けても成り立たない作品、それが三谷作品の魅力でもあると思います。
裁判とコメディという難しい組み合わせですが、「裁判もの」と肩肘張って読む必要は全く無いです。
読み終わった後なんとも言えない爽やかな感動が生まれるような作品です。