あずみ スタンダード・エディション [DVD]
原作のファンなので手に取りました。
原作のファンゆえ、最初はあら探しをするかのように観ていました。
特に、あずみの仲間達の若者のちゃらちゃらした外見・喋り方には、かなりの嫌悪感を感じました。
しかし、観進めていくうち、そういったこともさほど気にならなくなりました。
原作を超えられないこと理解した上で、映画は映画としてのオリジナリティー溢れる演出・脚色ができていたと思います。
残念な点を2つ。
1.原作の中に流れていた、太い1本の筋が失われていたこと。
なぜ、彼等が爺に従い、仲間を殺め、自らの命をも犠牲にする覚悟で任務を遂行しようとしているのかに関しての描きかたが不足しており、劇中での彼等の迷いやためらいが、言い訳がましく、弱さとしてしか受け取れませんでした。原作では、もっと1本の大きな流れ・筋のようなものがあり、彼等は精神的に強く、冷静です。
2.あずみの魅力を、単なる外見的な美しさからだけ捉えているような感がしたこと。
なぜ、皆があずみに惹かれ、あずみに吸い寄せられるように集まってくるのか、それは、強さや外見的な美しさだけに拠るものではありません。
劇中では、あまりあずみのキャラが立っていなかったように思います。
もっとあずみの魅力を前面に出してほしかったです。
役者について
上戸あやに関しては、大変美しい女優ですが、原作のあずみとは容姿のイメージ・雰囲気がかけ離れているようにも思いました。しかし、現時点であずみを演じきれる適齢の役者としては、知名度・演技力・美貌・アクションをする上での俊敏さの点からみて、やはり、上戸あや以外にはなかったのかなと思います。
脇を固めていた役者も魅力的な役者ばかりで、特に、オダギリジョーの美女丸役には驚きました。普段テレビドラマは全く、邦画もあまり観ないわたしにとって、初めてオダギリジョーの演技を見たのですが、素晴らしかったです。
総論として、映画『あずみ』エンターテイメントとしては、大変よくできた作品だと思います。映画館で観ればよかったと思いました。原作と切り離して観たほうが楽しめると思います。
新選組!! 土方歳三最期の一日 [DVD]
NHK大河ドラマ「新撰組!」の続編。五稜郭で最後の夜を迎えた土方歳三の心情を熱く語っている。懐かしき新撰組の面々もちらりと顔を出す。見所は何と言っても榎本武揚との議論。異なる見解を持ちつつも二人が本音でぶつかり合いながら互いを認めていくところはまさに「男」のドラマである。まるで舞台劇を見ているような感覚で見ることができる,三谷脚本の素晴らしさに脱帽である。
モーニング娘。新春! LOVEストーリーズ [DVD]
三話のオムニバスになっているのですが、お気に入りは石川梨華主演の『はいからさんが通る』です。
彼女の演技力には前から注目していましたが、見事に主人公の花村紅緒を演じきっていました。大正ロマン溢れる作品であり、時代風景にマッチした梨華ちゃんがいとおしく想えました。
余談ですが、後藤真紀主演の『伊豆の踊り子』で、保田圭が叩かれるシーンで笑ってしまったのは私だけでしょうか?
打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか? [DVD]
45分のショートにここまで濃厚なストーリーがあっさりと納められている事に驚かされる。よくある夏の日の、小学生達の友情と恋のカケヒキを描いている。恋する小学生はよくある設定ですよね。割とこういった切ない恋の物語は万人が共有している感情だから支持され易いし、多くの作品で見られる。古典的な設定と言ってもよいのかもしれません。でも、決定的に他を凌駕しているのは岩井監督の映像美。本来はカメラワークの素晴らしさとか、絶妙なコマ割りを力説すべきなんでしょうけど、見終わってシンプルに「切ないなぁ、きれいだなぁ」と思えてしまう素敵な映画。まず自身で感じて欲しい作品。
キャストも、現在も活躍されている奥菜恵・山崎裕太など、個性派の俳優陣ばかり。必死に役を演じて大人ぶっている感じが、みんな幼さがあってかわいい。後日談として二人が舞台の飯岡町を訪れる「少年たちは花火を横からみたかった」も、この作品に対しての監督の思い入れを感じる。このドキュメンタリー(?)も一つの作品として評価できる。