カンダハール [DVD]
イラン人監督モフセン・マフマルバフによって作られた2002年に公開された映画。同監
督の作品で傑作と名高い『サイクリスト』を見たかったのだが、残念ながら御用達のレン
タル店にはVHSしか扱っておらず、代わりに手に取った。タイトルがアフガニスタンの都
市名であるぐらいは記憶していたが、それ以外の予備知識は皆無に等しい状態であった。
2001年当時、舞台であるイラン側アフガニスタン付近の難民キャンプでは、国境を越え
ることもままならない緊張状態であった。確かに、そこでは盗賊や詐欺師が幅を利かせ、
民衆が飢餓にあえいでいる。地雷により手足を失った人々は、長年にわたる戦火を象徴し
ているようで、痛々しい。
しかし、どうだろう。映画に出てくるイスラム世界の人たちの生き生きとした姿。難民
支援団体に義足を求め、郷里の母の辛酸を口にする。明らかに嘘とわかり、厳しく突き返
される。別の理由を並べて食らいつく。またも断られる。何日もかけてようやく手にした
と思いきや、数キロ先で売りにかける・・・。
一連のやりとりが難民の人たちに対する同情を誘うというよりは、リアルな世界を提示
して、見るものの感性に委ねるといった感じである。そのリアルさが誇張であるのかどう
かは定かでないが、少なくとも私には愛らしく感じられる。彼らの顔つきを見ていると悪
気があるとは思えないのである。
あの時、この歌 第7集
「ピアノのけいこ」と言うタイトルが付いています。私はピアノが弾けませんが、ピアノを習ったことがある方なら一度は弾いた曲ばかり、無伴奏の多重録音によるスキャットで歌われています。どの曲も聴いていて心地よいのですが、とりわれ最後のトルコ行進曲はすばらしく、何度も聞き直してしまいます。
Lonely Planet Iran
昔々、トルコに抜けるときに持っていました。米国との関係が悪く、なかなかダークなイメージの抜けない国ですが、植民地時代のレトロな高級腕時計やペルシャ文明の遺物が古道具屋で売っていたり、国内航空券が破格の安さだったり、チャイハネで結構容赦なく皆が体制批判してたり、非常に面白い国でした。ガソリン国内では1リットル数円。内海で有名なキャビアを食そうと高級ホテル(でも超安い)にいったのですが、メニューにあっても現物がない。文句を言ったら、髭の親父に「お前の国にみんな輸出している。自分の国で食え」と言われました。最も印象に残っているのは、スペイン人のパッカーが「この国は全然宗教的でない」と感想を言っていたこと。モロッコなんかの統制のキツイ回教国では、お祈りの放送が流れると時間が止まるらしいのですが、テヘランを含むこの国ではそんなことありませんでした。お酒が飲めないのが少し辛いところですが、この国は政情さえ安定しているなら旅行には良いですよ。
THE WORLD ROOTS MUSIC LIBRARY ダイジェスト(インストゥルメンタル編)
「民族音楽が好きだけど、どんなものがあるのか分からないので、ちょっとずつでいいから知りたい」
と言う方にお勧めです。
世界の様々な民族音楽が2枚組みで収録されています。
こちらはインストゥルメンタル編ということで同じダイジェストの「ヴォーカル編」もお勧め。
THE WORLD ROOTS MUSIC LIBRARY ダイジェスト(ヴォーカル編)
一曲2分前後で60曲。元が長い曲は時間に収めるためにフェードアウトで終わります。
一部地域が重なるので60カ国分とはいきませんが、音楽世界の広さ感じさせてくれます。
ダイジェストって?と思った方
ワールド・ルーツ・ミュージック・ライブラリシリーズのダイジェスト版と言う意味です。
元々各国の民族音楽をシリーズで発売していてその一部を切り取り、一堂に会したものです。
このダイジェスト版で欲しくなった曲は、シリーズを買えば全体の曲が手に入るといった次第です。
・・・確かに欲しくなります。
友だちのうちはどこ?【字幕ワイド版】 [VHS]
ジグザグ道3部作の第1弾です。
宿題をちゃんとノートにしてこなければ退学にする、と言われた友だちのノートを間違えて持って帰ってしまった少年がなんとか友だちにノートを返そうと家を探し回る、そんなストーリー。
まず、はじめの教室のドアだけを映したシーンが微妙に長くていい感じ、先生が来る前の教室はあんなものでしょう。家に帰ってからノートに気付き、お母さんに「返してくる」と言っても、「宿題が先」「宿題しなさい」「しないとぶつわよ」と言われるトコは万国共通だなぁ、と。イラン映画なのに昔の自分を思い出すみたいなトコがいい。道々の大人たちがまともに取り合ってくれない場面は、もう社会の縮図ですね。もちろん他人同士なのでプライオリティーが違ってくるのは仕方ないんで!すが・・。
好きなシーンは、少年が返しに行く途中で、丘、というか小さい山みたいな場所を一人かけるシーンがあるんですが・・映されている映像の8割が丘で、あと2割に少年と空が映っていて、その空が、サイコ―にリアルでした!
あぁ、なんて言うんだろう・・・・あの曇り具合は日本の空です。そして、むかし僕が見上げたことのある空でもあった。