The Four Feathers [DVD] [Import]
ストーリー自体は一人の女と二人の男が時代の波に翻弄されるというハリウッドにありがちな感じだが、帝国主義のもと、植民地獲得競争へと繰り出していく大英帝国の姿を若き士官たちを中心にとてもよく描き出していると思う。中盤の砂漠での戦闘シーンもなかなかよく出来ていて、飽きることなく観ることができた。題材が題材なだけに『アラビアのロレンス』と比較されがちな本作だが、これはこれで面白い映画だと思う。
The Four Feathers [DVD] [Import]
『エリザベス』で評価を得たシェカール・カプール監督の作品。『アラビアのロレンス』と比較されてしまうある意味可愛そうな作品です。
戦闘に疑問を感じ、軍隊を辞めた男(ヒース・レジャー)が、仲間から臆病者を意味する白い羽根を渡される。しかし、彼は仲間の危機を救うため、戦場へ向かう…、といった感じのストーリー。
戦闘シーンには見るところがありますが、ヒース・レジャーのとった行動などに疑問を感じる方が多かったのではないでしょう。個人的には、ケイト・ハドソンの役にも。私が一番に思っているのが、『パール・ハーバー』もそうであったように、戦争+恋愛の作品は、成り立たないということ。戦争映画の好きな人たちは、戦争映画には恋愛など必要ない、むしろ邪魔だと思っているのではないでしょうか。感情移入しにくいというか、ごちゃごちゃしてしまう。戦争映画は戦争、恋愛映画は恋愛。どちらも見せようとすると駄作になりがちです。そういう意味で、この作品は評価がいまいちなのではないでしょうか。
しかし、見るところもあります。もちろん、戦闘シーンは素晴らしいです。迫力もあり、戦闘を上から撮ったシーンは素晴らしかったと思います。そして、ジャイモン・ハンスゥの演技。役どころも素晴らしかったのですが、友を救うため必死に戦う彼の演技は素晴らしかったと思います。音楽もジェームズ・ホーナーで、素晴らしいスコアを聞かせてくれます。いいところも、たくさんあるので惜しい作品だと思います。
DVDの仕様としては、DTS音声、映像特典も付いていますので、まずまずのないようですが、最初はレンタルが無難です。コレクションにするかと言われれば、微妙です。
恋のからさわぎ【日本語吹替版】 [VHS]
この映画を見たきっかけは雑誌で紹介されてたからなんですが、見てすぐに気に入ってしまいました。日本では放映されてないので、あまり知られていないようですが、私的には掘り出しモノって感じで、友達に勧めています。特に有名な人が出ているわけでもないし、内容もごく普通のものですが、それが身近に感じられるのかな?今風の妹と自分の道を行く姉が対象的で面白いし、二人が少しずつ恋をして変わっていくのが可愛らしいです。使われている音楽もとてもいい曲ばかりでなので、是非見てみてください!
ダークナイト 特別版 [DVD]
世の中には、スリリングな映画もありますし、コミカルな映画もあります。でも、すごい映画というのは、1年に1度あるかないかかと思いますが、この映画などは、まさに、そういう一本ではないでしょうか?確かに、ラブロマンスの要素もあり、サスペンスの要素もあり、3時間弱の長尺に関わらず、ずっと、ハラハラドキドキの連続なのですが、見終わった後の最初の感想は何か得体の知れない虚脱感なのです。
恐らく、完全に主役であるバットマンを食ったといってよいジョーカーの行動をおぞましいと思いつつ、それが、我々、人間全ての心の奥底にあるものだから、手放しでは悪と呼べないからではないでしょうか?
脇を固める俳優も素晴らしく、映画を見たなあと、心底、思わせてくれる映画です。
若干、えぐい場面もあり、あまり、お子様連れではお奨めできませんが、漫画が原作と思わず、映画好きなら、一度は見るべき映画かと思います。
ダークナイト [DVD]
単なる”お気楽ヒーロー映画”と思うなかれ!
油断して見ると度肝を抜かれますよコレ。
だってエピソードのひとつひとつが、
「あなたならどうします?」
っていう問いを投げかけてくるんだもん。
たとえば愛する人を殺されたとき。殺さなきゃ自分が死ぬっていうとき。
果たして自分ならどうするか? 自分ならどうなるか?
展開がスピーディすぎるもんだから、ついスルっと見ちゃうけど、
ジワジワそんな疑問が浮かんでくるんですよ。
バットマンもアシスト役の刑事も、名もない町の住民たちも、
この作品の登場人物たちはほとんど、
自分の中に潜む善悪に翻弄されてばかりなんです。
流されるものもいれば立ち向かうものもいる。
要はこの監督、
「人間はどこまで強い存在でいられるんだろう?」
ってことを問いかけたいんだろうな。
そしてそして。
その”問いかけ”に決定的な深みを与えてるのがヒース・レジャーです。
冒頭に出てくる後ろ姿、
立ってるだけなのにものすごく不気味だし
病院のシーンでは圧倒されすぎて目が離せなかった!
でも、100%完全な悪人なのに憎む気になれないのは、
狂気の中に”狂気ならではの悲しみ”までも表現しきってたからでしょう。
亡くなってしまったのが本当に!悲しい。惜しいです。
・・・フィクションが織り成す「奥深い問いかけ」に心を揺さぶられつつ、
一方では現実的な「ヒースへの哀悼の気持ち」が抑えきれなくなるので、
見ていると訳がわからなくなりそうになるけど、
心に残ること間違いなしの1本。ヒーロー映画を超えた名作。