世話焼き長屋―人情時代小説傑作選 (新潮文庫)
池波 正太郎 、 宇江佐 真理 、 北原 亜以子 、 村上 元三が並んでおります。
一作一作のレベルが高いので飽きません。
選者が優れているののでしょうか、
著者の個性が十分に堪能できます。
虚無を感じさせる池波正太郎、時代小説の骨格がしっかりした村上元三、人情ものの極みを行く北原亜以子、そして現在時代小説のトップに君臨する宇江佐真理。
あっという間にページが進みます。
本作の中では、人生観を描ききった北原の作品が読みどころかと思います。
お勧めです。
次郎長三国志 (春陽文庫)
二代目広澤虎造師匠の「清水の次郎長」を聴いて、思い出したの昔テレビで見た映画「次郎長三国志」だった。私が覚えているのは、鶴田浩二主演の東映版。そして検索して行き当たったのがこの本。
文庫本ながら、上下二段組のボリュームに最初は腰が引けたが、読み始めたら止まらない面白さ。理屈抜きで楽しめる。
実際の次郎長とは異なり、かなり脚色されているようだ。しかし、読んで楽しくなければ小説ではない。歴史書ではないので、明らかな歴史的事実を捻じ曲げない限り、許されることだろう。また、次郎長はじめ、それを取り巻く子分や他の親分衆など登場人物が多い。その辺りを巧く書き分けている点は凄い。次第に子分が増えて行く物語の展開も巧みだ。
難しいことを考えずに物語の世界に浸るのには向いている。次郎長の実際はこうだったとか気になる方には薦められない。
次郎長三国志 [DVD]
最近のTVの時代劇に見る現代劇的な演出ではなく、昔からある言うなら昭和時代の
本当に、時代劇や舞台の雰囲気です。
音楽やアングルや演技まで意識して時代劇になっています。
ですので、理解の無いまま見てしまうと人によってはただ野暮ったいだけと感じるかもしれません。
ですが、この雰囲気、濃い分肌に合えば癖になると思います。
長七郎江戸日記スペシャル「長七郎立つ!江戸城の対決」 [VHS]
中古ビデオと聞いていたので映像がかなり荒いかと思いましたが
予想以上に綺麗な映像だったので見やすかったです。
又、僕は、当時の時代劇をかなり録画していましたが
この作品だけ録画できずに、残念だと思っていたので
嬉しいです。
やはり、時代劇はよいですね!
NHK大河ドラマ総集編 源義経 2枚組 [DVD]
画質・音声の劣化、ぞんざいな編集は否めませんが、それが気にならなければ、大河ドラマの貴重な映像資料として十分楽しめます。
白黒映像ながら、合戦シーンはとても良く出来ています。屋島の戦いで、コントを彷彿とさせる平景清と美尾屋十郎の一騎打ちや、壇ノ浦の戦いでの、主役を食う平教経の戦いぶりや、平知盛の最後は、後年の大河ドラマ『義経』のような媚びた所はなく、役者の気迫が伝わってきます。
ラストの義経主従の大殺陣も見物で、弁慶の立ち往生が霞むくらい壮絶です。平泉の炎上や西国へ向かう一行を阻む平家の怨霊登場するシーンでチャチ(笑)な特撮と合成を楽しめます。
頼朝も冷徹なリーダーではありましたが、個人として、正直すぎる弟・義経を心配する兄でした。
NHK大河ドラマと言うよりは少年時代活劇の要素が強いですが、それなら後年の『義経』はバラエティの延長でしかありません。