Lizard: 40th Anniversary Series (Wdva)
キング・クリムゾンの1970年作/40周年記念エディション
正直、このアルバムはクリムゾンの作品群の中でもどうも煮え切らないイメージだったのだが、
スティーブ・ウィルソンの手によるニューミックスとDVDの5.1chミックスが良いらしいので聴いてみる。
CDの方は、各楽器の音の分離が鮮明になり、ぼやけていた輪郭がはっきりした分、
ずいぶんとダイナミックなサウンドになった。静寂の中の美しいメロトロンや、ピアノの音色に
メル・コリンズのサックスが重なってゆくと、音の厚みもたっぷりで、とても重厚に聴こえる。
シンバル類を含めてドラムの音にも臨場感が増した。ジャズロック色の強い曲はさほど好みではないが
23分を超えるタイトル組曲は、管楽器類を取り込んだゆったりとした叙情美に聴き惚れる。
ROCKERS[完全版] (スタンダード・エディション) [DVD]
PUNKといえばピストルズという浅い認識でコレを観るとちょっと理解するのが難しいかもしれない。
この後に出てくるアナーキーが非常にわかりやすい形でパンクロックを提示したのに比べて、確かにパンクっぽくはあるけれどロンドンパンクのような判り易いファッションでもなければ、歌詞も正直訴求力に欠けていて、特に当時のちょっとシラけた社会の雰囲気を知っていなければ伝わってくるものは薄いだろう。
このなかでフリクション、リザード、S-KENに関しては、この中で生き残ったバンドといえるので、楽曲や演奏力に少し魅力を感じられるかもしれない。
それ以外のバンドではmirrors、SSが面白かった。
mirrorsに関しては、非常にポップなリズム隊に絡むアバンギャルドなギターというユニークな楽曲に加えてドラムがボーカルを取る変則性もあって一筋縄ではいかない面白さが上記バンドと比べてもなお一層印象に残る。(ドラムが演奏後にインタビューに答えてる感じもちょっと香ばしく味わい深い。)
SSはそのあわただしい楽曲とちょっと何が言いたいのか判り難い歌詞、学生服のような統一された衣装とルックスも相まって、激しくも尚ポップな印象を与えてくれた。(今でいうエモコアに近いかもしれない。)
つけたせば、8 1/2もボーカルの面白さで印象に残った。
それから興味深かったのは、ファッションや景色からわかる風俗よりもインタビューに答える若者の話口調が、1965年生まれの自分から見ても古臭く、リアルに当時の感じを伝えてくるところだ。
もちろん今の若者とは全く異なるイントネーションで、語尾に「サ」を多用する独特の話し方は、当時は大人から疎まれていたはずだが、今改めてみると田舎の方言を聞いてるようでちょいダサな感じが、冴えないロッカーのテイストに尚一層の香ばしさを添えている。
KINGJIM デジタルメモ「ポメラ」 DM20 クロ リザードブラック
DM10から使っていますが、プレミアムモデル発売ということで、乗り換えました。
「デジタルメモ」として正統に進化していて、DM10で不満だった点の多くが改善されています。実売で1万円ほどの価格差がありますが、これから買う人にはぜひDM20をお勧めします。
既にレビュー記事がいろいろ出ているので、数日使って気づいた点だけ書きます。
■天板
リザードブラックを買いましたが、私は皮革風の見栄えはあまり好きではないので、レーシングカーボンにすぐに付け変えました。
DM10とはサイズやネジ穴位置が違うので、天板は流用できません。
ただ、DM10より天板が平らになり、角の丸みが取れて四角くなったこと、天板を留めるネジ部分にスプリングが付いて外しやすくなったことなどから、天板の交換や自作はしやすくなりました。
■操作感
CPUがパワーアップして、かなりきびきび動くようになりました。長文を打っていても、文字入力、漢字変換、コピー&ペーストなどでストレスを感じることはありません。
キーボードは、開発者の立石さん曰く「塗装以外は変わっていない」とのことで、打っていても違和感はありません。
画面が大型になって、文書全体が格段に見渡せるようになりました。
編集可能文字数も8,000字→28,000字へと拡大し、日常利用で困ることはほぼ無くなりました。私が好きなシャーロック・ホームズシリーズの短編作品も、青空文庫などから持ってきたテキストがポメラで読めます。
■ファイル管理
ディレクトリが5階層まで使えるようになったのですが、それに伴ってファイル管理の操作が大幅に変わっています。
◇「ファイル」メニューから開くデフォルトのディレクトリが、内蔵メモリまたはmicroSDカードのルートディレクトリになりました。DM10では「\pomera」ディレクトリしか開けませんでしたが、その上のルートディレクトリがデフォルトです。なお、内蔵メモリとmicroSDのどちらをデフォルトで開くかを設定できます。
◇ファイル/フォルダのコピー/削除/移動などの操作画面で、delキーを押すとその場でファイル/フォルダの削除、backspaceキーで一段階上のディレクトリへ移動、shift+↑・↓キーで連続した複数ファイルを選択して一気にコピー/削除/移動など、操作性が向上しています。
■カレンダー機能の改善
DM10ではカレンダーは「表示するだけ」でしたが、DM20ではスケジュールを書き込めるようになりました。
スケジュールデータの保存先ですが、DM20をUSBケーブルでパソコンへ接続すると、ドライブが以下の順番で3つ見えます。
1.文書用内蔵メモリ(サイズ 89.9MB)
2.カレンダー用データドライブ(16.7MB)
3.microSD
カレンダーに書き込んだスケジュールデータは、以下のように保存されます。
カレンダーデータドライブ→「Pomera_memo」フォルダ→月毎のフォルダ(「200912」など)→年月日のファイル名のテキスト(「20091216.txt」など)
このカレンダーデータドライブは、ポメラからは文書ドライブとして見られないので、例えば「今月の予定を一覧で見る」ことはできません。
私は結局DM10と同様に、以下のような内容の月毎のテキストファイルを作って、スケジュールを書き込んでいます。
●1月
10:00- □□セミナー
●2火
13:00- ○○課と打ち合わせ
■アップデート
DM10では、2009年11月にアップデートファイルが配布され、「ユーザー側でファームウェアをアップデートできる」ことが判明しました。
DM20では、最初からバージョン表示画面に「アップデートする場合はF1キーを押してください」と記述があり、ユーザー側でのアップデートを想定した作りになっています。今後、バグ修正や機能改善などがあるかもしれません。