学校に行かなかった研一―「年上の妹」がつづるケンチャンの素顔
タイトルどおり大前研一さんの「年下の妹」さんが書かれた本で、大前さんの"人"と"なり"が良くわかる本です。
どんな人物にも、その人がその人たる理由があり、ロジカルシンキングや、プロフェッショナリズムなどのクールなイメージが強い大前さんの素顔の部分が良く分かります。
もちろん暴露本ではないし、非常に丁寧に書かれた本なので、人間・大前研一にご興味がある人のみご覧になると良いと思います。
大前研一 敗戦記
大前氏の東京都知事立候補、そして落選した経緯を自らの文書で綴った本です。東京の有権者に伝わらなかった、大前氏の政策、考え方などを本書によって伝えようとされています。
皮肉っぽく言えば、負け犬の遠吠えにも聞こえます。しかし、本来は「政策」を競い合って切磋琢磨して戦うべき「選挙」というものが、必ずしも(というかそういうものからかけ離れた部分で)そういうことろではジャッジされないという「現実」をも浮き彫りにしています。
応援演説に駆けつけてくれた加山雄三氏から受けた直言を包み隠さず自ら綴っておられますが、このあたりのことについて真剣に考えさせられます。
しかし、「選挙」によって選ばれた国政、地方の代表者がやっていることを冷静に考え直せば、やはり選挙というのは、青臭いといわれようとやはり「政策論争」であるべきであるのではないかと思うし、有権者もそういう意味でもっと賢くなるべきではないかと思ってきました。
ただ成功のためでなく (ソフトバンク文庫)
日本経済界の次代のリーダーといえば、一般的にはソフトバンクの孫さんやユニクロの柳井さんあたりを思い浮かべる人が多いのだろうか。しかしながら、どのような事業を行っているかという観点から考えると、僕には渡邉美樹さんこそが今もっとも注目すべき人だと思える。
なぜなら、彼は始まりこそ外食産業だが、現在は福祉・農業・教育・病院・介護等の利益を出すことが困難である一方で国や地方公共団体に任せきりにも出来ないと思われる、人が人らしく生きるために重要なテリトリー(いわばソーシャルビジネスに近い部分)においてその業績を着実に拡大し続けているからである。
日本各地において多くの人と関わり、活動の輪を広げ、少しでも多くの人から「ありがとう」の言葉をもらうことを生涯の目標としている彼。その信念はこの決して厚いとは言えない文庫本一冊からでも、充分に読み取ることが出来る。
今後が大いに注目される人物である。