ケモノと魔法(初回限定盤)
原田郁子ちゃんのソロアルバム三部作、まんなかの作品。
絵本仕立てのCDブックがついている。
現実によく似た、けれど現実ではないむこうがわの世界につれていってくれる曲が並んでいる。
つかれた夜、すすむ道がわからなくなったとき、その世界にもぐりこんで、丸まってちょっと眠る。そうするとまた元気が出るような音楽たち。
「ピアノ」や「あいのこども」、「やわらかくてきもちいい風(弾き語り)」に耳を澄ますと、森の奥の湖のほとりにたたずんで、かすかな波紋に目をこらしているような気持ちになる。
タイトルにもなっている「ケモノと魔法」は、目をつむって聴くとプラネタリウムにいるみたい。星がきらきらかがやいて、空が回る。
ああ、郁子ちゃんの声はいいなあ。ゆったり、ゆるゆる、ぬくぬく。けれど心地いいばかりではなく、時にむき出しで、あやうい。
ステレオ・フューチャー [VHS]
売れない俳優と、その恋人を中心とした物語…なのですが、ストーリーはあってないようなもので、色彩感覚に優れた美しい映像(風景)が数珠繋ぎに流れる、ソニーのCMを無理矢理長くしたような感じの作品。
展開をじっくり見るのではなく、点けっぱなしにしたTV感覚で見るのが正しい見方かも。
「オシャレカップルにお勧め!」的なビデオですが、僕は一回見るだけで充分です…。
百万円と苦虫女 [DVD]
味も素っ気もないタイトルが、見終わった後にはとてもオシャレだったってことに気づく。
良い映画には独特の音楽というかリズムが流れているが、これもそう。
鑑別所行きから始まった鈴子(苦虫女)の旅。
蒼井優がすごくいい。
森山未来も良い感じです。
終わりがあっけないけど、
「人生って、こんなもんだよ」
と言っているようです。
恋するマドリ プレミアム・エディション (初回限定生産) [DVD]
興行的に失敗し、かなり酷評を浴びていたので、どんなものかと見てみました。
予想に反して、面白かったですよ。(凄くとは言いませんが)
130分と言う時間の中で、三角関係・初恋・失恋の恋愛ドラマを上手くまとめてましたね。
監督は恐らく主演が新垣結衣という事もあって、彼女をいかに生かすか、引き立たせるかを考えたんだろうなあと言うのが伝わってきました。
泥臭い部分をカットしたせいか、ドラマはすごくシンプルで、ゆったりした流れの中でも3人の感情の動きがはっきりしていて分かり易かったです。
実際の恋愛はそんな簡単じゃないが、松田龍平の無機質な演技と菊池凜子の脱力系の演技が、現実感を遠ざけるのか、不思議とそんなゆるい展開もありと思えさせた。
ガッキーの演技はけして上手いと言うものじゃないが、そのぎこちなさが、健気に映り、彼女の可愛さと相まって良かったです。
時間の割りに(いい意味で)中身が濃くないせいか、ショートムービー感覚で見れますし、新垣結衣の魅力が随所に感じ取れるので、ファンは見て損なしです。
新装版 ほぼ日の就職論「はたらきたい。」
これから就職活動をする人や、したばかりの人にとって、マニュアル的な活動を否定する本書の対談がどう映るのか。
目からウロコなのか、きれいごとと切り捨てるのか、それは分からない。
しかし、10年以上も企業に勤めた経験からみれば、至極当たり前であったり、納得のいくことがインタビューで語られていると捉えられる。
インタビューを受けている方々の立場にむしろ近づいていることもあり、その人たちの思いや悩みにむしろ共感してしまう。
本文とは別にちりばめられている128の言葉にも心を留めさせられるものが多い。
一方で、登場している方が芸能関係やフリーで有名な人が多く、その点で違う世界の話と捉えられるところもあるかもしれない。
実際はそんなこともなく、悩みの種類はきっと同じなのだろうけれど。
企業のトップなど一般的にお堅いと言われる職業の方もほぼ日に多数登場してくれないものかとひそかに期待している。