Life of Surprises: Best of [VHS] [Import]
ブリティッシュ・ロック全盛期の94年、イギリス物のコンピレーションアルバムに入っていて知った名前。「PREFAB SPROUT」。曲は「WHEN LOVE BREAKS DOWN」。その頃は、ただ単に「綺麗な曲だなあ」という感想しかなかったのですが・・・・・・。
年を追うごとに深く、新しい感動を感じられるアルバムですね。ポップスとか、ロックとかうまくジャンル分けの出来ないバンドです。アルバム全体が天体観測のイメージ。
Let's Change the World With Music
「たられば」は禁句だけれど、もしパディが70年代のアメリカで活躍していたらどうなったろう?メンバーが減ろうがスティーリー・ダンみたいに一流ミュージシャンをかき集めて、さらに完璧なアルバムを作ったかもしれない。近年のインタビューを読む限りでは、自身の環境や家族への配慮を尊重して今のスタンスになったと理解できるが、実際には経済的問題も大きいだろう。音楽産業のポケットに余裕のあった時代なら、ツアーや露出をほっておいてもヒットが出たし創作にも専念できたろう...
で、本作。もっとも充実した時期に書かれた曲と録音(ヴォーカル)を中心に復刻作業を成し遂げたアルバム。正直アレンジ面での不足(生ドラムだったら…もしウェンディがいれば..トーマス・ドルビーが…)は否めないけれど、楽曲クォリティと歌に込められた思いは尋常ではないと思う。新しい事は何もやっていないのに、今の"新しい音楽"の多くが過去の焼き直しに終わっている事を思い知らされる。そんな劣化コピーは違法ダウンロードで消化されても文句は言えないと個人的には思うが、パディのようなミュージシャンは皆で大事にしたいと思う。ブライアン・ウィルソンだけじゃなく(笑)。
ちなみに、彼にはまだまだ掘り起こして形にしていく曲が残っているという。もし、神が人間を大事に思うなら、もう1枚こんなアルバムをリリースさせてヒットさせてほしいと思う…そんな思いをこめて★★★★★
スウーン(紙ジャケット仕様)
彼らのデビュー作で、後の作品と比べるとかなりシンプルなバンドサウンドで製作されているが、特筆すべきはパディーの手による転調に転調を重ねる複雑かつポップで切ないメロディライン。個人的には円熟したメロデイーを聞かせる最近の作品よりも、この当時の若さ故の才気走った楽曲群に魅力を感じてしまう。
Steve Mcqueen
85年の発表当時から愛聴してます。聴けば聴くほど、味の出てくるアルバム。確かこの年には来日して、ライブも行いましたが、このアルバムからもたくさんやってくれて、レコードと同じ音を聴かせてくれたっていう思い出があります。ライブでもそうだったんですが、"Moving the River" は本当にかっこいい。あ、そうそう、このアルバムにはPrefabの定番曲 "When Love Breaks Down" も入ってるよ。