うちの子が、なぜ!―女子高生コンクリート詰め殺人事件
このルポルタージュが特徴的なのは事件の全貌よりも少年たちの人物像に重心を置いていることだ。
彼らとその家庭、親たちについても突っ込んで書いている。彼らが非行少年になりついには恐るべき事件を起こしたのもそこに至るいきさつがあった、と読みとることも可能だ。しかしどのような理由があろうとも人の命を奪って許されるはずがない。家庭内暴力も学校中退も結局のところ自分の甘さに原因があったのではないか。曲がり角にきた時、持ちこたえられず、やすやすと悪しき方角に向かうあり方に問題がある。
しかし子育てすることのなんと難しいことよ。彼らの親もありふれた親にすぎないが小さなほころびを重ねるうちにとり返しのつかない事態になってしまった。
子育てに悩む人には必読の書と言えるかも知れない。
うちの子に限って!?
メンタルの本はなかなか分かりにくかったり、敷居の高いものが多いのですが、
漫画の挿絵(漫画家の中村ユキさんのお母様の事を画かれた2冊の本もおすすめ)もすばらしく、
専門的な知識が一般人に理解できるように、やさしく書かれてあります。会う人ごとにすすめています。
特に思春期の子育てのお父さん、お母さん、教師にぜひ一読してもらいたい一冊です。
私は精神保健福祉士で児童相談員です。
あの笑顔をもういちど…!―良明16年間をありがとう
「うちの子にかぎって」や「おヨビでない奴!」に出演した、高橋良明くんのお母さんによる手記。
彼の一周忌を迎えて綴られた思い出の本…ということで手に取りました。
実際に読むまではもっと悲しい内容の本を想像していました。
しかしこの本からは、とてもあたたかで優しい、高橋くん本人や、著者の涼子さん等の人柄がよく伝わってくるのです。
芸能界での裏に潜む苦労はもちろん、あの事故の痛烈な思い出も綴られています。
その一方で、幸せで楽しい思い出もたくさん書かれています。
驚くべきファンとのぶっちゃけた交流、仕事への姿勢、正義感の強さ。
プライベートや、子供時代の可愛らしいエピソードも覗けたりして。
ご本人が気になさっていた文章の不慣れさは感じませんでした。非常に読みやすかったです。
高橋くんも、お母さんを含めご家族も、ファンの方々も…みんなとても素敵な人たちでいっぱいです。
楽しく読めて、感動して、涙なしには読めない。そんな本でした!
うちの子にかぎってスペシャル2 [VHS]
言わずと知れた田村正和主演、のちに「パパはニュースキャスター」や「オヨビでない奴!」などの傑作を生み出すきっかけにもなったシリーズの最終回!
卒業を間近に控えた小学生の男の子と女の子(故・高橋良明と西尾麻里)と、彼らの十二年後(柳葉敏郎と渡辺典子)の姿が巧みに絡まり合う見事な脚本で、シリーズ最終回と言う事もあり、登場人物全てに愛情が感じられる作りにもなっている。
私がこの作品に出会ったのは、まだ小学校2・3年生の時、今から15年も遡る。しかし今でも、年に2回は必ず観かえしている。そして今でも変わらず面白いと感じる。擦り切れたビデオテープの画面はお世辞にもキレイとは言えないが、作品の良さは全く色褪せない。
手前味噌ながら、間違いなく、マイ・ベスト・ドラマ!です。