キル・ビル Vol.2 [DVD]
B級アクション邦画へのオマージュが詰まったVol.1よりも落ち着いたという評判だが、代わりに香港のカンフー映画やマカロニ・ウエスタンなどへのこだわりが炸裂してるし、Vol.1同様に梶芽衣子「怨み節」をタイトル・ロールに使用するなど、やっぱりB級アクション映画へのオマージュの塊りになってると思う。
この映画の場合、監督の邦画の「イナタサ」への(若干勘違いも入った)思い入れが強すぎて、日本人が見た場合と欧米人が見た場合の見心地はかなり違うだろうと思う。「レザボア・ドッグス」等の初期タランティーノ作品に比べて、手放しでこの作品を誉める日本人がいないのは、そういうことじゃないかな。
80年代後半から広告代理店が邦画業界を牛耳るようになってから、タランティーノが愛したチープでアホなB級邦画というのが無くなってしまった。レンタル・ビデオ業界冬の時代にVシネマとしての延命策もなくなってしまった今、こういう昭和の日本文化というのは廃れていくしかないんだろうか。(だからといって、普通の映画ファンは困らないのが困ったところではあるのだが。)
マーケティング至上主義のハリウッドで映画バカのノリを維持して成功したタランティーノの功績は、一応映画史に残るものだと思う。でも、それは日米ともに、映画業界がB級映画監督すら生息できなくなったdeadman's worldになってしまったからかもしれない。
ジェームズ・キャメロン 世界の終わりから未来を見つめる男
辛口の世評はともかく、キャメロン本人までもが『タイタニック』の成功をまるで信じていなかったというエピソードに驚いた。膨張する製作費のプレッシャーに押し潰され、ギャラの辞退まで申し出ていたらしい。というのも、この映画の監督は悲劇の恋愛ストーリーに思い入れがあるわけではなく、むしろ、沈没した本物のタイタニック号を探査することに高いモチベーションがあったからだ。真の想いは海の底にあり、地上の金儲けになんか興味のカケラもないというのだから、映画の興行成績に自信なんてあるはずがない。すなわち、キャメロンという男、映画の職人監督というよりも海に潜ったり宇宙に行ったりということに情熱を燃やすSF好きの冒険家であり、その異世界探検の記録として映画というメディアがある、らしい。だから、本当に行けるなら何がなんでも実際に行って撮影すべきだし、でなければ、CGIを駆使してでも完璧に再現したいというわけである。ただ、そこで冒険心以上に重要になってくるのがテクノロジーである。宇宙船がなければ宇宙には行けない、ゆえに、彼は映画監督兼冒険家であると同時に、技術開発に憑かれたマッド・サイエンティストにもなった(現実と空想の間を行ったり来たりする人物像はまさにマッドな野郎というほかない)。そして、彼の<冒険>をめぐるあらゆる意味でのマッドな活躍ぶりを遺憾なく描いているのが本書だと思う。キャメロン映画のファンはもちろん、フィルムメイカーとして野心満々の人、冒険家を夢見る人も映画のDVDとともに一読すべし。
キル・ビル Vol.1
作品/本編はB級度バリバリ(笑)、オマージュともろパク寸前で(・o・)…酷評が目立ちますが、このサントラ盤のセレクトセンスには誰も文句ないのでは??。個人的には、毎回「この場面で、この曲を使うかぁー?(*_*)スゴイ!」と感嘆してしまいます。布袋サンなんて、マジにこの曲でワールドワイドな活躍(もちろん以前から名前やプレイは有名ですが)&世界中の番組やCMで使われる様になったキッカケの1本。買いな1枚です♪