聖なる夜に君は (角川文庫)
奥田英朗『セブンティーン』は数年前まで高校生だった身としては、色々身につまされました。
私は真面目な高校生でしたが、確かにこの時期って自分以外の人間のことでまったく悩んでなかったですよね。
そういうことの延長線上に妊娠があるとも、深く考えていなかった気がする。
まさに親の心子知らず。
十七歳の娘を持ったお母さんのお話ですが、女子高生こそこれを読んでおいたほうがいいと思います。
角田光代『クラスメイト』、盛田隆二『ふたりのルール』などは、不倫ものが苦手なのでちょっと胸が痛かったです。
やっぱりクリスマスがテーマだと、不倫が多いのかな?
島本理生『雪の夜に帰る』は、何か大きな出来事があるわけでもなく、日常が坦々と進んでいくような、私の好きな島本作品でした。
主人公は二十代のOLで、遠距離恋愛(中距離?)の彼氏がいて、良い人なのか悪い人なのか分からないけれど急接近してくる同僚がいて…。
すごくリアリティのある世界です。
最後もすっきり終わっていて、気持ちよく読めました。