Otis Redding 5CD ORIGINAL ALBUM SERIES BOX SET
公式なモノラルマスターなのか否かは分からない、だが、何れのアルバムもモノなので従来から聞いてきたステレオ盤の3rd〜5thのアルバムとは明らかに聞いている音が異なる。ヴォーカルは旧ステレオ盤よりも鮮明に前面に出てきている。
AM放送で聞いたオーティスの歌声である。90年頃に発売されたこれらステレオ3作は、完全な左右分離のステレオ版だったので、立体感の割には迫力に欠ける音だったと記憶している。今回は購入前にアルバムが全部ダブってしまうけど、と一旦躊躇したが、オーティスだから、安いしリマスターも期待して買ったのが正解だったかも。未だ全てを聞き通していないが、BlueとFa-Fa-Faは確実にモノラルの押しの強さを感じるものだった。
この箱物規格はバターフィールド、ジュディ・コリンズに次いで3箱目であるが、コスト・パフォーマンスは十分あると思う。
作品の評価は★五つ、当然である。久し振りにオーティスの切ない歌声を聞いて感じ入っている。
「ラブ・アクチュアリー」サウンドトラック
working titleの作品のサントラはどうしていつも選曲がいいのでしょうか。この作品のサントラも素晴らしい曲ばかりです。
劇中のロックシンガーのビリー・マックが歌うあの曲ももちろん入っていますし、ヒューの変なダンスシーンの曲、またノラ・ジョーンズも。カバー曲も。また、美しいスコアも収録されています。映画を見た後日、サントラを聞いて、また感動に浸る方も多かったのではないでしょうか。working title作品はDVDとサントラセットで買っても後悔はしないと思います。
リスペクト・ユアセルフ~スタックス・ストーリー [DVD]
2007年に米国PBSにて放送されたSTAXレーベルの歴史を辿ったドキュメンタリーと、
1967年にレーベルのスターが集結しノルウェーで行われたライヴをカップリングした
とてもお得な決定版です!!
どなたもレビューされていないのが不思議なぐらい、私は目が釘付けになりました。
まずはDisc1の「リスペクト・ユア・セルフ〜スタックス・ストーリー」。
内容は
1.イントロダクション 16.ソウル・リンボ
2.マクレモア・アヴェニュー 17.ソウル・エクスプロージョン
3.コーズ・アイ・ラヴ・ユー 18.ホット・バタード・ソウル
4.マーキーズ 19.ジョニー・テイラーと
5.サテライト・レコードショップ ディノ・ウッダード
6.バーバー・ショップ 20・エステルの離脱
7.ブッカーT. & MG's 21.タイム・イズ・タイト
8.オーティスの登場 22.黒人政治
9.アイザック・ヘイズとデヴィッド・ポーター 23.ステイプル・シンガーズ
10・サム&デイヴ 24.シャフト
11.ロレイン・モーテル 25.ワッツタックス
12.スタックス/ヴォルト・ツアー 26.事業拡大
13.オーティスとの別れ 27.CBS
14.アトランティックとの契約 28.ホエン・サムシング・イズ・ロング
15.ユア・グッドシング・イズ・ 29.終章
アバウト・トゥ・エンド
<ボーナス映像>
・追加インタヴュー(ブッカーT. & MG's、ジョニー・キース、ローガン・
ウェストブルック、ディノ・ウッダード)
豊富な証言者が語るスタックス物語。レーベル創始者、ジム・スチュアートと共同経営者でエステル・アクストン姉弟、
サウンドの屋台骨となったブッカー・T・ジョーンズ、スティーヴ・クロッパー、ドナルド・ダック・ダン、ウェイン・ジャクソン、
シンガー兼スタッフライターのエディ・フロイドやウィリアム・ベル、最初期のスター・ルーファス・トーマス、
アトランティックのジェリー・ウェクスラーとトム・ダウト、後期スタックスを運営したアル・ベル、
そして後期スタックスのスター・アイザック・ヘイズとメイヴィス・ステイプルズ、
U2のボノやエルビス・コステロ、さらに経理や宣伝担当までが当時を回想し熱く語ります。
俳優のサミュエル・L.ジャクソンがナレーションを務めていて(余談ですが彼は映画「グット・フェローズ」でその名もスタックスと
いう名の端役を演じていました)、当時の相当貴重なライヴ・フッテージなどを交えながらレーベルの紆余曲折や壮大な歴史を振り返ります。
見ていてもとても楽しいけれど、60〜70年代の南部の人種問題や社会問題も絡んできてとても勉強にもなります。
個人的にはステイプル・シンガーズの映像と、メイヴィスの話が聞けて嬉しかったです。
そしてDisc2「スタックス/ヴォルト・レヴュー〜ライブ・イン・オスロ1967」。
こちらは単品の輸入盤DVDがStax-Volt Revue: Live in Norway 1967 [DVD] [Import]としてアマゾンでも販売されていて、
曲目や他の方のレヴューもの記載されているので内容はそちらを参照して頂ければと思いますが、こちらは日本語字幕がありますし、
なんといっても副音声のスティーヴ・クロッパーとウェイン・ジャクソンの解説が面白い!!二人とも自分たちの若さに苦笑してますが、
アル・ジャクソンJrのドラミングの素晴らしさを絶賛しています。このライヴはアルの映像がたっぷりと拝めます。
私はダブル・ダイナマイト、サム&デイヴの大ファンですが、二人の切れのいいダンスと熱いコール&レスポンスは凄いです。
謎の腕回しダンスもなんか可笑しい。
ですがこの日の主役はトリのオーティス・レディング。オーティスの素晴らしいパフォーマンスに尽きます。
盛り上げ方も凄い。熱狂した観客の中には失神する人もいるし、ステージ前方に押し寄せてきて次第に興奮のるつぼ。
オーティスも「トライ・ア・リトル・テンダネス」の終盤で「ガッタ、ガッタ」と3度ステージに戻ってきます。
サム・ムーアも追加インタヴューでオーティスの後に出るのは嫌だったと語っています。
とにかくソウルミュージックが好きなら一家に1セットの家宝です。
私の娘や、遠い将来の孫にまで伝えたい映像集です。
ふと思ったのですが2年前に亡くなられた忌野清志郎さんはこのDVDを観たのかなぁ・・・。
ドリームズ・トゥ・リメンバー~オーティス・レディングの伝説 [DVD]
オーティス レディングの生前の映像と、彼の家族とMG’Sのギタリスト スティ−ブ クロッパーのインタビューとの構成です。1967年、亡くなる直前の映像(try a little tennderness)を見た後、なぜかとてもすがすがしいものを感じました。バックのバーケイズの演奏はMG’Sのように熱くならずに、たんたんとした演奏がやけに新鮮に聞こえます。田舎者のプロモビデオのような、野暮ったい映像も多く、大推薦というわけではない。けれど、もう少し長生きをしてほしかった。現在の洋楽チャートの感性では、彼の歌はゲテモノのように聞こえるかもしれない(ルックスも悪く、スマートでもない),対照的に洗練された、レイチャールズが今でも多く人のの支持を受けているのと比較しても、過少評価されているのはとても残念です。同時期のビートルズが日本に来なくてもよかったけれど、オーティスは日本に来てほしかった。
イッツ・ブラック・エンターテインメント [DVD]
ジャズ、ソウル、ダンスなどなどアメリカのエンターテイメント・シーンにおいて、どれほど黒人たち(アフリカ系アメリカ人)の果たした役割が大きかったか。もしアメリカに黒人がいなかったら、アメリカン・カルチャー、アメリカン・エンターテイメントは今とまったく異なるものになっているだろう。
このDVDは、6つのカテゴリー(ダンサー、ディーバ、ロック&ソウル、ジャズ、男性ボーカル、ヒップホップ)に分けて、そうした偉大な黒人パイオニア、クリエイターの歴史に迫った作品。1920年代あたりからの貴重な映像のオンパレードで目を奪われる。
個人的には、ダンサーの映像に特に驚かされた。現在のヒップホップシーンのダンサーを凌ぐような勢いの技、スピード、切れのよさで、やはりこのような歴史の延長線上に JBがいて、マイケルがいて、そうして今の様々なダンス形態があるのだなと思わせられる。何事にも歴史がある。
だが、残念ながら、全編で88分と短いために、ひとつひとつのジャンルやアーティストの掘り下げが浅いのが、物足りなく、非常に惜しまれる。倍くらいの長さで、もっとじっくり見たかった。