これまでiPodだけ使用していましたが、今回iPad Airとともに本書を購入。マック系のOSは初めてであったために不安でしたが、本書によってあっという間に基本的な操作事項を学ぶことができ、感謝しております。内容は非常によく整理されており、かつ初心者がまず何を習得し、それをどのように各方向へ発展させていくか想像力をもって執筆者が理解し（生成学習の視点を持ち）、必要最小限の説明をしてあります。なお、全項目に通し番号を振り、索引（残念なことにこちらは貧弱）もそれで統一してあるので、最初戸惑うかもしれませんが、わかれば逆に結構便利です。

　コンピュータ初めての人でも勧めることができる本ですが、ウィンドウズ系しか知らない人でも本書はマック特有？の癖もなく、すんなり抵抗なく読めます。マック信者を長く蔑視してきた人も、自分自身が隠れウィンドウズ信者であることを知らないだけですので、この際、本書のような洗練されたガイド書でもってiPadの世界へ入ってみることをお勧めします。とくにiPadは最初何も知らないとＡｐｐｌｅ　ＩＤ取得の際にクレジットカード情報をかなり強引に記入させられ、不安に思うことがありますので、まっさきに本書２２ページ右下を読めば（項目２１番）、クレジットカード番号なしにＡｐｐｌｅ　ＩＤ取得ができ、自分自身も、子供に持たせるときも、安心できます。Apple Storeには無料のソフトも多く、追加購入を何もしなくても、iPadは十分活用できるようになっています。
　
　ウィンドウズ利用者が初めてiPad Airを通じてマック系の世界に入るとき、OSの大小の相違にとらわれるよりも(iPad使うのにそんな知性は不要で、姿勢・興味が重要)、機器の使用初期段階が決定的にウィンドウズ製品と大きく異なることを理解しておいた方が本書を一層抵抗なく読み進めるかもしれません。マック系は（１）iTune （２）iCloud （３）利用できる周辺ハードウェアの種類がWin系と比べると貧弱で、割高であり、この３つがマック系の３大特徴ですが、逆に最初に３つ（とくにiTune)を理解すれば、恐らくiPad類を最大限活用できるはずです。マック系では周辺機器の選択肢が非常に狭い分、機械・製品オタクに転落する危険も大幅に減り、アプリ活用という本来の領域に全力を注げます（コンピュータは本来ソフトの方を使い尽くすべきであって、製品仕様に熱中してしまうとＷｉｎ信者となってしまいます）。
　
　なお、本書ではキーボードの使い方もわりと詳しく書いてあり、恐らくiPad Airあたりから、その高水準の諸性能もあり、趣味や学習ばかりでなく、プリントアウト（印刷作業）以外は仕事にも十分使えそうです。iPadからの直接の印刷は、Ｗｉ-Ｆｉ対応のプリンタがまだ相当少なく、今後もたいして儲からないこの分野に参入メーカーが多くないことが予想され、iPadのどの解説書も印刷については少ししか記述していません。なお、１万円未満の格安プリンタが結構ありますが、インク代でメーカーが儲けているのは歴然としており、月に数枚程度ならともかく、毎月数十枚以上印刷をiPadから直接印刷するというのは割高となり、良い選択肢と言えません。どうしてもiPad画面に出てきた内容を低費用で印刷したいときは、項目２８番（本書２５頁）にあるようにスクリーンショットで画面を保存し（両指を押した瞬間でなく、両指を離した直後に画面撮影）、他の（自宅・オフィスなどのプリンタ付きの）ＰＣへメール送信すれば、メール内容を印刷するという形で印刷可能となり、Ｗｉ-Ｆｉプリンタ(+高いインク）を買う必要もありません。ほかにも印刷についてはクラウド利用とか幾つか方法がありますが、本書では他の本と同様そこまで詳述はしていません。