本当に純粋である幼少期の出来事、純粋さゆえに正義も悪もそのときの感情次第。ただ長嶋という存在そのものが彼の正義であり、彼の絶対であった。しかし、彼を揺るがす大人の存在、それによる自分の存在意義、とても彼が考え切れる規模ではない。けれども、彼が信じた「唯一無二の存在」で繋がっていたものが彼を彼のままとしてくれる。彼の周りを賑やかす大人のバラエティーに一喜一憂。私たちはこの時勢、もう一度私たちの子どもたちへの有り様を考え直す必要があるのではないだろうか…
私はこれを読み終えて涙が止まらなかった。私の灰汁（悪）が滲み出た気がした。