PS2版は２周してD-LM型使い魔以外をクリアしてキャラ強化もやり込んだんですが、非常に満足いく出来でした。思い入れのある作品なんで長文レビュー失礼します。

　（このシリーズ未プレイの方へ）
　
　アニメ調の本格的キャラものRPGとしては珍しく、ドラクエからの「主人公が喋らない」という本来のＲＰＧの基本が守られた貴重なシリーズです（PS2の２を除く）。故に「共感や好感」なんてレベルではなく、「自分の感情を自由に投射（移入）」という本当の意味での「感情移入」が可能。本来RPGって「プレイヤーが主人公になって冒険を楽しむ」って言われてるものだったし、選択肢も膨大で性格も変化するので、主人公の顔さえ気に入れば「なりきる」ことが可能、さらに恋愛要素もたっぷり楽しめる贅沢な作品。使い魔の女の子を含め全キャラクリア目指すと４周も楽しめます。
　インストールでロード時間も気にならず快適。最初の音声でちょい読み込みがある程度です。

　２年前に移植された「１」に比べ、リングウェポンやキャラ強化システムは人によって賛否両論かも。わかりやすい成長システムで物語をじっくり楽しみたい人には「１」がお勧め。
　キャラ強化を追及するとどうしても、特技「強奪」とレムスのリミット技「トリックプレイ」でボスクラスの敵から強力な魔石をできるだけ早い時期に入手する努力をすることになります。特に、有用なスキル・魔法・特技（詠唱短縮やサイクルアップや魔法強化など）を覚えられる魔石（主にLV6以降）をいかに早く手に入れて習得するかで、難易度がガラッと変わってきますので、中盤以降のイベントバトルでは、ボスのアイテムテーブル（三段階からランダム）が悪かったらリセット、有用なスキルを習得できる魔石が手に入らなかったらリセット・・・そんなプレイになりがち。
　まあそれでも、いい魔石が手に入ると嬉しく、それが醍醐味でもあるし、簡単リセットの仕方も説明書に書いてあるので安心。
　
　ただ、キャリアソフト制作の作品ではラングリッサー時代から共通する特徴として、一般兵士を超無名声優が演じていることが多く、たまに演技（発音や滑舌も）が素人レベルの人がいてゲンナリする。
　「祝福の鐘」というアイテムでキャラを極限まで強化できるけど、それで腕試しできるようなダンジョンや隠しボスなどはいないので、キャラ強化のやり込み派の人には不向き。「最強ダンジョン」ってのはあるけど、普通のレベルでクリアできるレベル。
　ともあれ、主人公になれて冒険してヒーローになれて恋愛もできる、ある意味究極の作品だし、やはり「１」とこの「４」はシリーズの中でも特にファンの評価が高い作品で、PS2版がマイナー版になり下がるほどの追加要素なのでオススメです。

　（PS2版クリアした方へ。ネタバレ極力避けつつ新要素の感想をなどをザラッと。）

　〜使い魔〜
　
　声優さんが変わった使い魔は２タイプ。D-LN型は、PS2版は大人っぽすぎる声でしたが、より絵のイメージに合った印象。D-LM型は、モデルになったのは「３」のラミィだから堀江由衣さんっぽい声を期待していたら、PS2版ではかん高い幼すぎる声でガッカリだったんですが、今回はより堀江由衣さんの声に近くて可愛すぎる。LM型をPS2でクリアしなくてよかった。２周目にやります。
　新しいD-MD型はLN型をさらに堅苦しくしただけでキャラかぶりにも感じたが、休暇イベントを進めていくうちにむっちゃ可愛く感じていきました。休暇でまず一人で劇場に行った後は、マギーやメルなどサブキャラに話しかけてけば簡単に攻略できる感じです。
　使い魔もフェイトイベントに追加されたので、旧使い魔と新使い魔のどちらかを消滅させてしまう辛いイベントも回避可能。序盤での基地の研究者と、カルノスがポイント。

　〜既存キャラ〜

　使い魔同様、PS2版では死んでたキャラをフェイトで救うことが可能。それに伴い、イベントや音声もかなり追加・変更。休暇でも、マギーとデートできるし、シドニーの新規イベントも追加。新キャラがらみの会話シーンでも音声があり、ほとんどの主要キャラの声優さんが、このPSP版のために新規収録を行っているとみていい。でも、レオナ役の釘宮さんは多忙な故、かえって数年前のキャラを再現するのは難しいんですかね？元気なレオナが再現できておらず、かなり幼い大人しめの演技になってしまってる。　
　使い魔の独り言（質問系）へのセリフがちょい不満。PS2版とまったく同じセリフ録り直している。どうせならセリフ内容も少し変えてほしかった。ここに関しては、PS2版の音声を流用してくれた方が良かった。
　
　〜新キャラ〜
　メリーヌとシンシア、パメラとマグナスはそれぞれ、ゲーム後半からグッと盛り上がるPSPオリジナルの展開に深く関わっていて、それまでは正体不明なキャラ。トリシアは単にデュルクハイム兵。基地で知り合う先輩で、ボクっ娘で声もかわいい。遠距離恋愛のような挿入イベントがたくさんあり、ギャルゲー色が強い。フレーネに対抗しうる、もう一人のメインヒロインという感じ。
　早く仲間にしたくて、中盤のイベント戦闘でトリシアが敵増援として現れた時には、選択肢の選び方や行動（近づくとか）次第で仲間になるんじゃないかと何度もやり直したが、拒絶するような選択肢を選ばなければ大丈夫。メリーヌには叱ってやれる愛を与え、戦闘で倒さなければ大丈夫かと。
　メリーヌは仲間になってからはかわいいデレデレ妹キャラになるし、ほとんどのスキル・魔法・特技を覚えられる万能型で、間接攻撃の鎌はレムスと違って命中率も高い（命中アップ未修得にもかかわらず）！戦闘中に「メリーヌにおまかせですの！」を連呼されるのは、人によっては抵抗あるかも。言い方が若干違うし、かわいいからいいけど、コマンド呼び出し時と決定時のセリフ内容は変えてほしかった。
　どのキャラも時期的にはかなり後半にしか仲間になりません。メリーヌとマグナスがちょっと早めで、魔導砲破壊作戦の前後に仲間になるってくらい。トリシアに至ってはラスボス戦前。魔法のエキスパートだが、秘本や奥義書でスキルや特技を習得させてもレベル１止まりで成長させられない。シンシアは仲間にならない。
　〜新イベントバトル・新展開〜
　
　ファンデルシアへの旅路の途中１回。こんな序盤にトリックプレイでレベル８魔石狙えます。その後はずっと無く、レプリカ天使を倒した後辺りからちょくちょく。連戦の後にいきなり来たりするので、敵も強いし結構キツかった。
　後半は新イベントバトルが本当に多く、デュルクハイムへの降伏勧告後に大きな分岐があります。通常ルート行った場合でも、新ダンジョン、新イベント目白押しで、詳しくは言えませんが主人公のエンジェリックチャイルドとしての役割も、さらに深く悲壮に描いています。なんかよく分からん存在だったラスボスも、新キャラ関連のイベントで掘り下げられ真のラスボス戦もあり、PS2版クリアした方にもオススメです。使い魔の声優さんも代わってるし、唯一同じの豊口めぐみさんタイプでも、新録ボイスはたくさんあるので、新鮮な気持ちで楽しめるはずです。
　エンディング４６種類は長く楽しめそう。声優さんフリートークも、今回はスタッフの男がトークに割り込んでこなくて良かった。
　ただ、究極合体魔法のメテオは、戦闘画面でのエフェクト作って欲しかったなあ・・・。相変わらず海岸線に隕石が落ちる大げさなムービーだけだし、敵に隕石くらわせてる快感が全然ない。他の３つの究極合体魔法はちゃんとエフェクトあるのに。