鶴八鶴次郎 (1979年) (中公文庫)
高野山に凝っていたこともあり、定価300円の本を2,800円で購入しました。今は絶版ということでしょうか?一応貴重そうなのでとっています。あまり評判も聞かないので、よくわかりませんが、当時の時代を描いている点では、貴重な資料なのでしょう。
人情馬鹿物語
作者によれば「江戸っ子」という人種は大正時代に消滅したらしい。大正時代までの東京人は「江戸っ子」と呼ばれるのを得意にしており、「江戸っ子」に対しては、気前が良くて、任侠精神があって、人情の機微が判った、等など、好い事ずくめの褒め言葉が並んだらしいが、それは言い換えると馬鹿々々しい見栄とやせ我慢に終始している人たちで、このような脆弱な都会人はこの世知辛い世の中を乗り切れず消滅したとのこと。
前置きが長くなったが、本書はそんな馬鹿々々しいほどまで人情に厚い「江戸っ子」を題材にした短篇小説集で、12編の短篇が収められている。講談師・悟道軒円玉を始めとする登場人物は、著者の周りに実在した人物ばかりで、著者の分身も「信吉」という名前で登場する。従って読んでいると実話をもとに書かれているのではと思わせる作品が多い。
作品の内容はタイトル通り講談師など当時の芸人にまつわる人情話が並んでいるが、基本的なテーマはすべて男と女の交情だ。強い印象を残すのは女達で、逞しく生きる女が時に男を育て、時に駄目にするなど様々なパターンの関係がリアルに描かれており、男女の交わりの根源的な部分を見たような気持ちにさせられる。
江戸っ子には「分をわきまえる」という意識が強く、いくら相手のことが好きでも、身分が釣り合わない場合には身を引く、それがお互いにとって幸せだと考えていたようだ。ただしそれが尾を引いて、めそめそするわけではなく、特にその後は割り切って生きる女達の姿は爽やかだ。
12編の短篇全てに男女の深い関係が描かれており、面白くて、ほろりとさせられて、そして考えさせられる作品揃いである。
前置きが長くなったが、本書はそんな馬鹿々々しいほどまで人情に厚い「江戸っ子」を題材にした短篇小説集で、12編の短篇が収められている。講談師・悟道軒円玉を始めとする登場人物は、著者の周りに実在した人物ばかりで、著者の分身も「信吉」という名前で登場する。従って読んでいると実話をもとに書かれているのではと思わせる作品が多い。
作品の内容はタイトル通り講談師など当時の芸人にまつわる人情話が並んでいるが、基本的なテーマはすべて男と女の交情だ。強い印象を残すのは女達で、逞しく生きる女が時に男を育て、時に駄目にするなど様々なパターンの関係がリアルに描かれており、男女の交わりの根源的な部分を見たような気持ちにさせられる。
江戸っ子には「分をわきまえる」という意識が強く、いくら相手のことが好きでも、身分が釣り合わない場合には身を引く、それがお互いにとって幸せだと考えていたようだ。ただしそれが尾を引いて、めそめそするわけではなく、特にその後は割り切って生きる女達の姿は爽やかだ。
12編の短篇全てに男女の深い関係が描かれており、面白くて、ほろりとさせられて、そして考えさせられる作品揃いである。
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