世情、評価の低い後期ＷＲ。確かに、ＷＲファン（というより、ザヴィヌルファン）の私からしても、前作「スポーティンライフ」は、正直、厳しい出来だったと思います。

但し、カルロスサンタナを迎えたせいもあり、このアルバムでは、また、ＷＲレベルに戻しているのは、さすが、ザヴィヌルという気がします。

ただ、気をつけなければならないのは、ザヴィヌルとショーターの化学反応こそが、ＷＲの神髄だと思っている方（実は、私もそうなんですが）。このアルバムでは、ザヴィヌルとショーターのコラボは、一切、ありません。もちろん、ショーター演奏の曲はありますが、ザヴィヌルとコラボしている曲はありません。

ＷＲ解散後、ザヴィヌルが、シンジケート結成等により、ＷＲと同レベルとまではいいませんが、それなりのレベルの高いアルバムを作ったことからも、今は亡き、ザヴィヌル恐るべしというべきだと思います。

もし、後期ＷＲのアルバムだからという理由だけで、このアルバムを敬遠されているＷＲファンがいたら、もったいないと思います。

確かに、ショーターとの化学反応はありませんが、決して、ＷＲレベルに達していないアルバムではありません。

やはり、ＷＲというのは、ショーターやジャコといったスーパープレイヤーを上手く使いながら、ザヴィヌルのやりたかったことをやったバンドだったんだなあということがわかるアルバムでもあります。