貞本さんすごい。感動した。
庵野エヴァと同じ「起・承・転」をなぞり、その上の「結」で多くの読み手が安心するハッピーエンドを描き、心地よい余韻を残した。

【一部ネタバレします。ごめんなさい】
読後感の心地よさは、ゲンドウに与えられた「救い」によるところが大きいと思う。
「自分はユイを死なせシンジを不幸にした」という絶望と罪悪感を、ユイに清めてもらって、
それから、ちゃんとシンジに向き合い、背中を押してあげる。
よかったねお父さん。エゴを追い求めながら、ちゃんと「お父さん」できたじゃん。

補完計画が失敗するシーンを読みながら、シンジと一緒に
「てのひら」で傷つけ合い、助け合ってきた場面を思い出すのが気持ち良かった。
あぁ、そうか。あのシーンも、あのシーンも・・・全部「てのひら」でつながるんだ。
約20年かけた物語を丁寧につないで、見事に結んだなぁ！と拍手。
ラスト、他人とのふれあいがちょっとずつ巧くなっていくシンジを見送るのも、嬉しい気持ちになる。

庵野さんは、未だシンジたちの落ち着けどころを探っているように見える。
それを見届けるのも、これからの楽しみだけれども、
貞本さんが14巻で描いてくれた「キャラクターたちを幸せにする方法」は、とっても良かった。
やさしくて、読み終えてホッとする感じ。

素敵な物語を、ありがとうございます。