再録、再々録、未公開ラフやコンテ、書き下ろし（作者自身のフォローコラム）等々、かなり雑多な内容で、たしかに少しマニア向けな「お蔵出し」単行本となっています。

収録は多岐にわたり、８０年代（徳間のアニメージュ関連中心）、２０００年代（ぶんか社のアンソロジー本から）が多く、９０年代からの収録作もちょっとだけ入ってます。

カラーのものは漫画、ラフ共にきちんとカラーで収録。カラー約６０ページ、モノクロ約１００ページといった内訳。
短編含め、漫画自体は１０編を収録。

今の絵もけっしてきらいじゃないけれど、「８０年代のふくやまけいこ」の絵は、私にとっては別格なのでうれしい限りです。

そして未公開ラフの中にはなんと、アニドウの「月刊ベティ」表紙イラストのものが！
採用分を含めて５パターンを、きちんとカラーで収録。これは素晴らしい。

でも完成イラストがなぜか収録されておらず、現存していないのか、なにか問題があったのか、説明ないので判りません。
「月刊ベティ」でネット検索かけると、とりあえず表紙の画像は見れますね。
この本は「月刊」と言いつつ「創廃刊号」という、いかにも８０年代なノリのものでした。

昔を知る人も、「オリヒメ」「ヒコボシ」で作者を気に入った人も、当時の空気を知る資料として、手にとってみてはいかがでしょうか。