カヌーをやってみたいけれど、
仕事が忙しいからできないと思っている人、
もうトシだからできないと思っている人、
家族がうるさいからできないと思っている人、
持病があるからできないと思っている人、
やったことないからできないと思っている人、
そんなすべての人に、この本をお薦めします。
転覆隊は、日本で一番忙しいサラリーマンである（某一流広告代理店に勤務）。
転覆隊は、全員４０・５０歳代である。
転覆隊は、全員妻子持ちである。
転覆隊は、全員持病持ちである。（ぎっくり腰、糖尿病、肝硬変、胃潰瘍等）
転覆隊は、全員カヌーを「習った」ことがない。
付け加えれば、転覆隊は、逆巻く激流や荒れ狂う海原に下見もせずに突っ込んでいく。
５級の瀬に、パドルを握るのも初めての初心者をいきなり突入させる。
他のメンバーが沈（転覆）すると、手を打って喜ぶ。
彼らの乗るファルトボート（折り畳み式カヌー）は、かなりの確率で大破する。
世の正しいカヌイスト、真面目なアウトドアズマンが、この本を読むと卒倒するだろう。
僕も初めて読んだときは目眩がした。
「おいおい、こんなのありかよ？」
しかし読み終わると、一種説明しがたい爽快感が残る。
心がうずくような羨ましさが残る。
彼らは、集団で川を下ってはいても、自分の判断で行動する。自分の責任で会社をサボり、５級の瀬でもみくちゃにされる。
行間から、彼らの叫び声が聞こえてくる。
「自分の人生、自分持ち！」