都内某所で雑誌と漫画単行本の売り上げで、大いに出版社に貢献した人気漫画家の慰労会が行われた。
その席で人気漫画家は今連載している漫画を終了させて欲しいと編集長に土下座して頼む。
連載が終了してしまえば、出版社として収益が減る訳で、もちろん編集長はその願いを突っぱねる。

「読者アンケートが常に上位の君が止めたいなんて言っちゃだめだなあ」
「読者の期待を裏切ってもいいのかい？」

また「読者アンケート」だ。「読者アンケート」が全てを決定する。

同席していた主人公は、丸め込まれそうになっている人気漫画家に加勢して叫ぶ。

「本人が描くのは嫌だって言ってるのに、何で無理矢理描かせるんだよ！」
「漫画は漫画家のもので、終わる時期を決めるのも、漫画家が決めるのが当たり前だろ！」

漫画家の冨樫義博氏が、「幽遊白書」の連載を終了した直後に１冊の同人誌を発行した。
その中で本作品の本場面を引用してこう言った。

「全てがこの通りではなかったけど、漫画家としての自分の気持ちはこうだった」

漫画はいったい誰のものなのか？
本作品は鋭く問題提起している。