1990年12月26日、東京は池袋、サンシャイン劇場でのライブをCD化。
ライブから20年を越える時を経てCD化された理由は、「この音をアルバムとして、形として残しておきたい」という
アーティストとしての強い想いゆえなのでしょう。

優雅さ、狂おしさを響かせるバイオリンとビオラ、繊細なピアノ、重厚なウッドベースに情熱的なパーカッション・・・。
クラシック音楽の要素をベースにしつつ民族音楽的な香りも漂う演奏と、さまざまな情感を込めた渾身のボーカルが、
張りつめた緊張感の中で激しく共鳴し合う世界は、うっとりするほどの絶妙なバランスです。

時にせつなく、時に妖しく、時に激しく、時に優しく。
言い尽くせないほどのさまざまな情景を映し出すかのようです。

この世には数多くの傑作CDがあるとは思いますが、これほどまでに「聴き手を魅了する力を持った作品」には
そうそうお目にかかれないのではないでしょうか。
聴けば聴くほどに奥深さを感じます。
間違いなく、名盤です。

最後に、もう少しだけ書かせていただきます。
この「青の時代」とほぼ同時期のライブ音源を収録した別作品で、「アンプラグド・ライブ」というCDがございます。
私には「青の時代」と「アンプラグド・ライブ」が、まるで「一対の名画」のように感じます。
いずれの作品も、心を激しく揺さぶる芸術作品に通じるものがあるのです。

実際のライブから約10年の時を経て発売された「アンプラグド・ライブ」。
そして、それから更に10年以上の時を経て発売された「青の時代」。
長い時を経てようやく揃った２枚の「名画」、本当に素晴らしいです。