カレンダー 2015年「平成27年」 【韓国俳優】 LeeJongSuk イ・ジョンソク 2015年 マグネットカレンダー [mc-ljs04]
友達のぶんと2つ購入しました。冷蔵庫に貼り付け毎日見ています。とても良かったです。
フランツ・カフカ「変身」
装飾や思わせぶりが全くない現実的な文章。虫になるというある種SFじみた設定が淡々とした文体で続くのに、そこにユーモアやナンセンス味、おかし味というものは感じられないし、ホラーじみた怖さすら感じない。寧ろ、在りえない状況に際したグレーゴルとその家族の反応や対応が余りに自然すぎて、切ないだの悲しいだのといった感覚が室内を一歩たりとも出ることのない閉塞感と相まって感じられる。
今まで家族を養ってきたグレーゴルが虫になることで疎まれ、最後は彼の死が遺された家族の希望となってしまうというオチは究極のバッドエンド。切なさを残す後味の悪い終わり方。
ふと、介護に疲れた介護者が被介護者を殺してしまう昨今の事件を彷彿とさせた。虫になったグレーゴルというあからさまな出来そこないのお荷物を、それでも捨てきれない家族の情はこの場合逆に無情であるのかもしれない。いっそ逃がしてしまえばグレーゴルにとっても家族にとってもいい結果になったかもしれないのに、結局家のなかで、しかも父の投げたリンゴが致命傷となって死んでしまうのは悲しい。しかもあれだけ熱心に世話してきた妹が最後、捨てようと家族に提案するところも救いようがない。
何より、どんな扱いを受けても淡々としているグレーゴルの様子が無情を一段と強めている。憤りや不満などを一切嘆くことがないという部分がこの人物の特徴的な部分だと思う。
なすすべもなく死んでいったグレーゴル。死んでるか死んでないかもよくわからないような虫の、あのあっけないような死にざまにすべてが集約されている。
今まで家族を養ってきたグレーゴルが虫になることで疎まれ、最後は彼の死が遺された家族の希望となってしまうというオチは究極のバッドエンド。切なさを残す後味の悪い終わり方。
ふと、介護に疲れた介護者が被介護者を殺してしまう昨今の事件を彷彿とさせた。虫になったグレーゴルというあからさまな出来そこないのお荷物を、それでも捨てきれない家族の情はこの場合逆に無情であるのかもしれない。いっそ逃がしてしまえばグレーゴルにとっても家族にとってもいい結果になったかもしれないのに、結局家のなかで、しかも父の投げたリンゴが致命傷となって死んでしまうのは悲しい。しかもあれだけ熱心に世話してきた妹が最後、捨てようと家族に提案するところも救いようがない。
何より、どんな扱いを受けても淡々としているグレーゴルの様子が無情を一段と強めている。憤りや不満などを一切嘆くことがないという部分がこの人物の特徴的な部分だと思う。
なすすべもなく死んでいったグレーゴル。死んでるか死んでないかもよくわからないような虫の、あのあっけないような死にざまにすべてが集約されている。
異邦人(いりびと)
アートミステリーの旗手として、今や原田マハの右に出る作家はいない。本作もその期待に違わぬ傑作で、名作『楽園のカンヴァス』を凌ぐ出来映えといって良いだろう。まず、京都という舞台設定が実に鮮やかで、四季折々の古都の景色、風物詩、伝統と気質が瑞々しい筆致で描かれており、絵画ファンのみならず、京都好きな人にもたまらないという別の楽しみがある。そして、これまた珍しい主人公設定なのだが、妊婦のヒロイン菜穂の「美」に対する恐ろしいほどの執着心と慧眼を軸に、数十億円というビッグマネーが動く絵画ビジネスのシーンはスリル満点。彼女の強い意思と行動力に翻弄される夫・一輝のダメ男ぶりは痛快なほど。もう一人のヒロイン、言葉を話せない天才画家・白根樹の妖婉さも見事に描かれ、ラスト近くでの大ドンデンはこの作家の真骨頂だ。機は熟した。本作でぜひ、直木賞を獲ってほしい。
異邦人 ☆石原詢子
説明.
異邦人 ウェブ
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