ゴスフォード・パーク [レンタル落ち]
この映画は、アガサ・クリスティのミステリの映像化ではありません。
(「殺人事件」の起きるストーリーは独自のものです。)
アルトマンがこの映画でやりたかったことは、「もし現実であったなら、アガサの小説の世界は、こんなだったにちがいない・・・」、つまり『実録・ゴスフォード・パーク殺人事件』の映画を作ることだったようです。
ナレーションやモノローグもなく、物語の進行は「会話」のみ。
回想シーンもなくスローモーションなども使われず、常に映画の世界の「現在」が映されて、『実録・ゴスフォード・パーク殺人事件』を作り出しているのです。
・・・
ときは1932年。(二度の大戦の間です。)
イギリスの片田舎のとある貴族の邸宅にある日、「雉猟」が催されるというので招待された親戚、知人などが、その使用人をひきつれて三々五々やって来ます。
当時は歴然たる階級社会。
「階上の人々(貴族)」「階下の人々(使用人)」と、分けて呼ばれる登場人物たちの間を、「きっとこんなふうだったにちがいない・・・」という、リアリティあふれる『会話』が活発に飛び交います。
カメラは、階上と階下を自在に動き、役になりきった俳優たちの迫真の表情や、自然な動きをとらえます。
登場人物の様子をさぐり覗きこみ、常にうねるように動きつづけるカメラは、まるで私たち鑑賞者の好奇にみちた「目」そのものです。
アガサの小説は「階上の人々」貴族たちの物語ですね。本作は双方の物語ですが、多くは「階下」の使用人たちの、働きながらの「会話」(ウワサ話)から、ストーリーが浮かび上がってきます。「階上の人」の傍らには、いつも「階下の人」がはべり、「うわさ話」のネタとすべく聞き耳をたてています(笑)。
ストーリーは双方の人生が入り交じりポリフォニーを奏でながら、やがてひとつの悲劇を浮き彫りにするのです。
「階上」も「階下」も、くせ者ぞろい。錯綜する男女関係や金銭問題をからめ、アルトマン一流のアイロニーを込めて、(ユーモアを滲ませながらも)痛烈に生々しく描かれています。
「階下」の人々はより生き生きとしたたかに、「階上」の人々はやや戯画的に描かれているのが特徴です。
さて・・・。
この映画、登場人物が多数のため一度見ただけではわからない、という声も多いのです。
マギー・スミス、ヘレン・ミレン、アラン・ベイツをはじめとして、そうそうたるメンバーですから、映画をよく見ていて俳優さんに詳しい方であれば、比較的楽に人物を把握できるとは思いますが、そうでないとやはり大変なのは確かです。
人数だけが問題なのではありません。
ここでもまたアルトマンの『実録〜』へのこだわりが頭をもたげてきます。
つまり「現実であれば〜」、もし殺人事件がおきたとしてもその解決へ向かって、物事は都合良く「収束」する訳ではありません。
映画もそのとおり。
本筋とはまったく無関係なことも、すべて「強弱」つけず、平等(平坦)に描かれています。そのため、状況や人間関係の把握がジグソーパズルを作るような具合いになり、この映画の醍醐味であると同時に(ちょっと)たいへんでもあります。
アルトマンは、「パーティであれば、全ての会話を聞き取れやしない。それと同じように考えて欲しい。」と言っていますが、でも、殺人事件が起きたりする物語なのですから、どうしても「きちんと判りたい。」と思うのが人の常ではないでしょうか(笑)。
実際、私はしつこく4回見て(笑)、把握しまくりました。アルトマン自身も「二回見て!」とも言っています(笑)。
でも、4回も観れる映画だというところが凄いと、私は思うのです…。
なんというのか、見所が多いというか、満遍なく(?)見ていてあきないのですよ。
この映画は、映像美でもあるし、音楽(アイボア・ノヴェロ作が何曲か)もたいへん素敵な使われ方をしています。
クライマックスとも言えるシークエンスがとくに素晴らしい!
ジェレミー・ノーザム扮するアイボア・ノヴェロ(←実在の俳優)のピアノの弾き語りとサロンの様子…。
ドアの外で、階段にかけうっとりと聞き惚れる「階下」の人々を映した映像は、ここではとりわけライティング効果が素晴らしく、まるで油彩画のような美しさです。
ノーザムの甘い歌声とともに、華麗ともいえる演出の妙を見せるこの一連のショットは、本当にうっとりします。鑑賞者も「階下」の人々と同じく夢心地になっていると〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!! ストップ!(ミステリにつきネタバレ厳禁。これ以上は書けません!笑)
・・・
長々と書いたわりに、この映画が「何を言いたかったか」など、まったく触れられませんでした…。
アルトマンはとにかく、「この殺人事件がなぜ起きたのか?」ということを、「もし現実だったら・・・」に徹底的にこだわってこの映画を撮ったのは確かだと思います。(犯人逮捕が目的ではなくて・・・。)
あちらこちらで同時に交わされるさりげない「会話」と、交錯する「視線」。時代考証バッチリらしい屋敷の内装や小道具。
昔の製法の窓ガラスを通してゆらゆらと映る、何人もの人たちの「秘密」をまとめあげて、「振付」のようなリズムを感じさせるアルトマンの演出に酔いながら、『実録・ゴスフォードパーク殺人事件』を堪能してください。(老貴婦人そのもののマギー・スミスや、アラン・ベイツの「執事の風格」も見どころです。)
私には全部はわからなかったのですが、映画に詳しい方々への目配せがいろいろとあるようですね。
ミステリ・ファンへのサーヴィス・ショットももちろんありますよ(笑)。
※レンタル版ですが、メイキング、コメンタリなど特典は豪華です。
(「殺人事件」の起きるストーリーは独自のものです。)
アルトマンがこの映画でやりたかったことは、「もし現実であったなら、アガサの小説の世界は、こんなだったにちがいない・・・」、つまり『実録・ゴスフォード・パーク殺人事件』の映画を作ることだったようです。
ナレーションやモノローグもなく、物語の進行は「会話」のみ。
回想シーンもなくスローモーションなども使われず、常に映画の世界の「現在」が映されて、『実録・ゴスフォード・パーク殺人事件』を作り出しているのです。
・・・
ときは1932年。(二度の大戦の間です。)
イギリスの片田舎のとある貴族の邸宅にある日、「雉猟」が催されるというので招待された親戚、知人などが、その使用人をひきつれて三々五々やって来ます。
当時は歴然たる階級社会。
「階上の人々(貴族)」「階下の人々(使用人)」と、分けて呼ばれる登場人物たちの間を、「きっとこんなふうだったにちがいない・・・」という、リアリティあふれる『会話』が活発に飛び交います。
カメラは、階上と階下を自在に動き、役になりきった俳優たちの迫真の表情や、自然な動きをとらえます。
登場人物の様子をさぐり覗きこみ、常にうねるように動きつづけるカメラは、まるで私たち鑑賞者の好奇にみちた「目」そのものです。
アガサの小説は「階上の人々」貴族たちの物語ですね。本作は双方の物語ですが、多くは「階下」の使用人たちの、働きながらの「会話」(ウワサ話)から、ストーリーが浮かび上がってきます。「階上の人」の傍らには、いつも「階下の人」がはべり、「うわさ話」のネタとすべく聞き耳をたてています(笑)。
ストーリーは双方の人生が入り交じりポリフォニーを奏でながら、やがてひとつの悲劇を浮き彫りにするのです。
「階上」も「階下」も、くせ者ぞろい。錯綜する男女関係や金銭問題をからめ、アルトマン一流のアイロニーを込めて、(ユーモアを滲ませながらも)痛烈に生々しく描かれています。
「階下」の人々はより生き生きとしたたかに、「階上」の人々はやや戯画的に描かれているのが特徴です。
さて・・・。
この映画、登場人物が多数のため一度見ただけではわからない、という声も多いのです。
マギー・スミス、ヘレン・ミレン、アラン・ベイツをはじめとして、そうそうたるメンバーですから、映画をよく見ていて俳優さんに詳しい方であれば、比較的楽に人物を把握できるとは思いますが、そうでないとやはり大変なのは確かです。
人数だけが問題なのではありません。
ここでもまたアルトマンの『実録〜』へのこだわりが頭をもたげてきます。
つまり「現実であれば〜」、もし殺人事件がおきたとしてもその解決へ向かって、物事は都合良く「収束」する訳ではありません。
映画もそのとおり。
本筋とはまったく無関係なことも、すべて「強弱」つけず、平等(平坦)に描かれています。そのため、状況や人間関係の把握がジグソーパズルを作るような具合いになり、この映画の醍醐味であると同時に(ちょっと)たいへんでもあります。
アルトマンは、「パーティであれば、全ての会話を聞き取れやしない。それと同じように考えて欲しい。」と言っていますが、でも、殺人事件が起きたりする物語なのですから、どうしても「きちんと判りたい。」と思うのが人の常ではないでしょうか(笑)。
実際、私はしつこく4回見て(笑)、把握しまくりました。アルトマン自身も「二回見て!」とも言っています(笑)。
でも、4回も観れる映画だというところが凄いと、私は思うのです…。
なんというのか、見所が多いというか、満遍なく(?)見ていてあきないのですよ。
この映画は、映像美でもあるし、音楽(アイボア・ノヴェロ作が何曲か)もたいへん素敵な使われ方をしています。
クライマックスとも言えるシークエンスがとくに素晴らしい!
ジェレミー・ノーザム扮するアイボア・ノヴェロ(←実在の俳優)のピアノの弾き語りとサロンの様子…。
ドアの外で、階段にかけうっとりと聞き惚れる「階下」の人々を映した映像は、ここではとりわけライティング効果が素晴らしく、まるで油彩画のような美しさです。
ノーザムの甘い歌声とともに、華麗ともいえる演出の妙を見せるこの一連のショットは、本当にうっとりします。鑑賞者も「階下」の人々と同じく夢心地になっていると〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!! ストップ!(ミステリにつきネタバレ厳禁。これ以上は書けません!笑)
・・・
長々と書いたわりに、この映画が「何を言いたかったか」など、まったく触れられませんでした…。
アルトマンはとにかく、「この殺人事件がなぜ起きたのか?」ということを、「もし現実だったら・・・」に徹底的にこだわってこの映画を撮ったのは確かだと思います。(犯人逮捕が目的ではなくて・・・。)
あちらこちらで同時に交わされるさりげない「会話」と、交錯する「視線」。時代考証バッチリらしい屋敷の内装や小道具。
昔の製法の窓ガラスを通してゆらゆらと映る、何人もの人たちの「秘密」をまとめあげて、「振付」のようなリズムを感じさせるアルトマンの演出に酔いながら、『実録・ゴスフォードパーク殺人事件』を堪能してください。(老貴婦人そのもののマギー・スミスや、アラン・ベイツの「執事の風格」も見どころです。)
私には全部はわからなかったのですが、映画に詳しい方々への目配せがいろいろとあるようですね。
ミステリ・ファンへのサーヴィス・ショットももちろんありますよ(笑)。
※レンタル版ですが、メイキング、コメンタリなど特典は豪華です。
ゴスフォード・パーク [DVD]
ゴスフォード・パーク』(Gosford Park)は、2001年製作のイギリス映画。ロバート・アルトマン監督のミステリー。アルトマンらしい群像劇で、イギリス郊外のカントリーハウス「ゴスフォード・パーク」を舞台に、貴族たちとその従者たちの複雑な人間関係を描いている。イギリスの名優が多く出演し、アカデミー脚本賞を受賞した。
目次 [非表示]
1 あらすじ
2 テーマ
3 キャスト
4 受賞歴
5 出典
6 外部リンク
あらすじ[編集]
1932年の秋、イギリス郊外のマナーハウス「ゴスフォード・パーク」では週末のハンティング・パーティが開かれようとしていた。ホスト役をつとめるのはゴスフォード・パークの持ち主であるサー・ウィリアム・マッコードルとその夫人シルヴィア。そこへゲストとして、シルヴィアの叔母トレンサム伯爵夫人、二人の妹ルイーザとラヴィニアおよびその夫たち、サー・ウィリアムの又従弟にあたる俳優ノヴェロやその友人ワイズマンなどが次々に迎えられる。使用人たちは階下でホスト側もゲスト側も入り乱れ、晩餐の準備など忙しく働いている。
集まった階上の人々の間には様々な憎しみや欲得が渦巻いており、だんだんと関係がこじれてゆく。他方、階下の使用人は自分たちをこき使う主人達のゴシップに余念がない。そんな中、主人のサー・ウィリアムが何者かに殺される事件が起きる。警察によるずさんな捜査がのろのろと進む一方で、階下の一員であるメアリーは事件の核心に近づいてゆく。
テーマ[編集]
本作品は戦間期イギリスの階級社会を丹念に描き出しており、出演者の一人スティーヴン・フライは、「上流階級がいかに召使たちに依存していたかが分かる」と述べている。また、多くの副次的テーマも包含されている。たとえば、ヘンリー・デントンとワイズマンとの関係に示唆されているように、同性愛の顕在化のような当時のセクシュアリティのあり方に関しても、鋭い視点を向けている。第一次大戦後のイギリスにおける貴族社会の衰退が、大英帝国そのものの凋落と重ね合わされている点も言及に値する。また批評家の中にはこの作品を、アガサ・クリスティのミステリー小説が火付け役となって当時人気を博していた「マナーハウスもの」に、19世紀の小説技法を混ぜ込んだリバイバル作品だと指摘する向きもある。製作・出演をこなすボブ・バラバンは、「自分とアルトマンにとって、召使たちがマナーハウスの殺人ミステリーを語るというシチュエーションは、大変魅力的なものだった」と話している。
キャスト[編集]
室内撮影に使用された旧ノーサンバーランド公爵邸サイオン・ハウス
役名
俳優
日本語吹替版
VHS版
※「階上」の人々※
トレンサム伯爵夫人コンスタンス マギー・スミス 竹口安芸子
サー・ウィリアム・マッコードル マイケル・ガンボン 稲葉実
レディ・シルヴィア・マッコードル クリスティン・スコット・トーマス 唐沢潤
イゾベル・マッコードル カミーラ・ラザフォード 幸田夏穂
ストックブリッジ卿レイモンド チャールズ・ダンス 水野龍司
ストックブリッジ卿夫人ルイーザ ジェラルディン・ソマーヴィル 佐藤しのぶ
アンソニー・メレディス海軍中佐 トム・ホランダー 岩崎ひろし
レディ・ラヴィニア・メレディス ナターシャ・ワイトマン 水落幸子
フレディ・ネスビット ジェームズ・ウィルビー 古田信幸
メイベル・ネスビット クローディー・ブレイクリー 戸田亜紀子
ルパート・スタンディッシュ卿 ローレンス・フォックス 水島大宙
ジェレミー・ブロンド トレント・フォード 中村俊洋
アイヴァー・ノヴェロ ジェレミー・ノーサム 大滝寛
モリス・ワイズマン ボブ・バラバン 石井隆夫
※「階下」の人々※
屋敷の使用人
ミスター・ジェニングス アラン・ベイツ 谷昌樹
ミセス・ウィルソン ヘレン・ミレン 寺内よりえ
プロバート デレク・ジャコビ 小形満
ルイス メグ・ウィン・オーウェン 中澤やよい
エルシー エミリー・ワトソン 宮寺智子
ジョージ リチャード・E・グラント 青山穣
アーサー ジェレミー・スウィフト 遠藤純一
キッチンの使用人
ミセス・クロフト アイリーン・アトキンス 定岡小百合
ドロシー ソフィー・トンプソン 斎藤恵理
バーサ テレーサ・チャーチャー 片桐真衣
賓客の付き人
メアリー・マキーシュラン ケリー・マクドナルド 小林さやか
ロバート・パークス クライヴ・オーウェン 山野井仁
レネー ジョアンナ・モード 風村綾乃
バーンズ エイドリアン・スカーボロ くわはら利晃
サラ フランセス・ロー 田村聖子
ヘンリー・デントン ライアン・フィリップ 小野塚貴志
※部外者※
トンプソン警部 スティーヴン・フライ 佐々木梅治
デクスター巡査 ロン・ウェブスター
受賞歴[編集]
アカデミー脚本賞
ゴールデングローブ賞 監督賞(ロバート・アルトマン)
フロリダ映画批評家協会賞 最優秀アンサンブル賞
英国アカデミー賞 最優秀衣装デザイン賞 / アレキサンダー・コーダ賞
サテライト賞 最優秀助演女優賞(マギー・スミス) / 特別賞
カンザス・シティ映画批評家協会賞 最優秀助演女優賞(マギー・スミス)
ロンドン映画批評家協会賞 助演女優賞(ヘレン・ミレン) / 映画作品賞
イブニング・スタンダード賞 最優秀作品賞
全米映画批評家協会賞 最優秀監督賞(ロバート・アルトマン) / 最優秀助演女優賞(ヘレン・ミレン)
オンライン映画批評家協会賞 最優秀アンサンブル賞
ニューヨーク映画批評家協会賞 最優秀監督賞(ロバート・アルトマン) / 最優秀助演女優賞(ヘレン・ミレン) / 最優秀脚本賞
全米映画俳優組合賞 最優秀助演女優賞(ヘレン・ミレン) / 最優秀アンサンブル賞
サウスイースタン映画批評家協会賞 最優秀助演女優賞(マギー・スミス)
全米脚本家組合賞 オリジナル脚本賞
AFI映画祭 監督賞
放送映画批評家協会賞 アンサンブル演技賞
出典[編集]
1.^ a b “Gosford Park (2001)” (英語). Box Office Mojo. 2011年6月1日閲覧。
外部リンク[編集]
作品解説
ゴスフォード・パーク - allcinema
ゴスフォード・パーク - KINENOTE
Gosford Park - AllMovie(英語)
Gosford Park - インターネット・ムービー・データベース(英語)
目次 [非表示]
1 あらすじ
2 テーマ
3 キャスト
4 受賞歴
5 出典
6 外部リンク
あらすじ[編集]
1932年の秋、イギリス郊外のマナーハウス「ゴスフォード・パーク」では週末のハンティング・パーティが開かれようとしていた。ホスト役をつとめるのはゴスフォード・パークの持ち主であるサー・ウィリアム・マッコードルとその夫人シルヴィア。そこへゲストとして、シルヴィアの叔母トレンサム伯爵夫人、二人の妹ルイーザとラヴィニアおよびその夫たち、サー・ウィリアムの又従弟にあたる俳優ノヴェロやその友人ワイズマンなどが次々に迎えられる。使用人たちは階下でホスト側もゲスト側も入り乱れ、晩餐の準備など忙しく働いている。
集まった階上の人々の間には様々な憎しみや欲得が渦巻いており、だんだんと関係がこじれてゆく。他方、階下の使用人は自分たちをこき使う主人達のゴシップに余念がない。そんな中、主人のサー・ウィリアムが何者かに殺される事件が起きる。警察によるずさんな捜査がのろのろと進む一方で、階下の一員であるメアリーは事件の核心に近づいてゆく。
テーマ[編集]
本作品は戦間期イギリスの階級社会を丹念に描き出しており、出演者の一人スティーヴン・フライは、「上流階級がいかに召使たちに依存していたかが分かる」と述べている。また、多くの副次的テーマも包含されている。たとえば、ヘンリー・デントンとワイズマンとの関係に示唆されているように、同性愛の顕在化のような当時のセクシュアリティのあり方に関しても、鋭い視点を向けている。第一次大戦後のイギリスにおける貴族社会の衰退が、大英帝国そのものの凋落と重ね合わされている点も言及に値する。また批評家の中にはこの作品を、アガサ・クリスティのミステリー小説が火付け役となって当時人気を博していた「マナーハウスもの」に、19世紀の小説技法を混ぜ込んだリバイバル作品だと指摘する向きもある。製作・出演をこなすボブ・バラバンは、「自分とアルトマンにとって、召使たちがマナーハウスの殺人ミステリーを語るというシチュエーションは、大変魅力的なものだった」と話している。
キャスト[編集]
室内撮影に使用された旧ノーサンバーランド公爵邸サイオン・ハウス
役名
俳優
日本語吹替版
VHS版
※「階上」の人々※
トレンサム伯爵夫人コンスタンス マギー・スミス 竹口安芸子
サー・ウィリアム・マッコードル マイケル・ガンボン 稲葉実
レディ・シルヴィア・マッコードル クリスティン・スコット・トーマス 唐沢潤
イゾベル・マッコードル カミーラ・ラザフォード 幸田夏穂
ストックブリッジ卿レイモンド チャールズ・ダンス 水野龍司
ストックブリッジ卿夫人ルイーザ ジェラルディン・ソマーヴィル 佐藤しのぶ
アンソニー・メレディス海軍中佐 トム・ホランダー 岩崎ひろし
レディ・ラヴィニア・メレディス ナターシャ・ワイトマン 水落幸子
フレディ・ネスビット ジェームズ・ウィルビー 古田信幸
メイベル・ネスビット クローディー・ブレイクリー 戸田亜紀子
ルパート・スタンディッシュ卿 ローレンス・フォックス 水島大宙
ジェレミー・ブロンド トレント・フォード 中村俊洋
アイヴァー・ノヴェロ ジェレミー・ノーサム 大滝寛
モリス・ワイズマン ボブ・バラバン 石井隆夫
※「階下」の人々※
屋敷の使用人
ミスター・ジェニングス アラン・ベイツ 谷昌樹
ミセス・ウィルソン ヘレン・ミレン 寺内よりえ
プロバート デレク・ジャコビ 小形満
ルイス メグ・ウィン・オーウェン 中澤やよい
エルシー エミリー・ワトソン 宮寺智子
ジョージ リチャード・E・グラント 青山穣
アーサー ジェレミー・スウィフト 遠藤純一
キッチンの使用人
ミセス・クロフト アイリーン・アトキンス 定岡小百合
ドロシー ソフィー・トンプソン 斎藤恵理
バーサ テレーサ・チャーチャー 片桐真衣
賓客の付き人
メアリー・マキーシュラン ケリー・マクドナルド 小林さやか
ロバート・パークス クライヴ・オーウェン 山野井仁
レネー ジョアンナ・モード 風村綾乃
バーンズ エイドリアン・スカーボロ くわはら利晃
サラ フランセス・ロー 田村聖子
ヘンリー・デントン ライアン・フィリップ 小野塚貴志
※部外者※
トンプソン警部 スティーヴン・フライ 佐々木梅治
デクスター巡査 ロン・ウェブスター
受賞歴[編集]
アカデミー脚本賞
ゴールデングローブ賞 監督賞(ロバート・アルトマン)
フロリダ映画批評家協会賞 最優秀アンサンブル賞
英国アカデミー賞 最優秀衣装デザイン賞 / アレキサンダー・コーダ賞
サテライト賞 最優秀助演女優賞(マギー・スミス) / 特別賞
カンザス・シティ映画批評家協会賞 最優秀助演女優賞(マギー・スミス)
ロンドン映画批評家協会賞 助演女優賞(ヘレン・ミレン) / 映画作品賞
イブニング・スタンダード賞 最優秀作品賞
全米映画批評家協会賞 最優秀監督賞(ロバート・アルトマン) / 最優秀助演女優賞(ヘレン・ミレン)
オンライン映画批評家協会賞 最優秀アンサンブル賞
ニューヨーク映画批評家協会賞 最優秀監督賞(ロバート・アルトマン) / 最優秀助演女優賞(ヘレン・ミレン) / 最優秀脚本賞
全米映画俳優組合賞 最優秀助演女優賞(ヘレン・ミレン) / 最優秀アンサンブル賞
サウスイースタン映画批評家協会賞 最優秀助演女優賞(マギー・スミス)
全米脚本家組合賞 オリジナル脚本賞
AFI映画祭 監督賞
放送映画批評家協会賞 アンサンブル演技賞
出典[編集]
1.^ a b “Gosford Park (2001)” (英語). Box Office Mojo. 2011年6月1日閲覧。
外部リンク[編集]
作品解説
ゴスフォード・パーク - allcinema
ゴスフォード・パーク - KINENOTE
Gosford Park - AllMovie(英語)
Gosford Park - インターネット・ムービー・データベース(英語)
ゴスフォード・パーク (名作映画完全セリフ集スクリーンプレイ・シリーズ)
洋画「ゴスフォードパーク」を520倍楽しむ為の本。
映画本編のレビューでは変な事を言ってしまった私ですが、この映画後から来ますね。怒涛のような魅力が。「何故あの人はあんな事を言ったのだろう?」「何故彼はあんな事をしたんだろう…」「あの人物のあの描写はどういう意味か。」等と見た後考えてしまう自分が居る事に気付きます。脚本と演出と時代設定が完璧だからですね。最低二回見ないと魅力が分らん罪な大人の映画です。
その脚本を心行くまで堪能できる罪な本。時代背景や演出解説なども収録されている非常に良い出来。対訳なのでどのセリフがどういう日本語に訳されれていたかを細かく知ることができます。
この映画見た人で満足出来た人、これから観たいと思っている人、既に見た人等も予習として復習として映画の深い理解に実に役に立ちます。美しい英文と作品解説眺めるだけでも価値があります。
文句無し。星五つ。
映画本編のレビューでは変な事を言ってしまった私ですが、この映画後から来ますね。怒涛のような魅力が。「何故あの人はあんな事を言ったのだろう?」「何故彼はあんな事をしたんだろう…」「あの人物のあの描写はどういう意味か。」等と見た後考えてしまう自分が居る事に気付きます。脚本と演出と時代設定が完璧だからですね。最低二回見ないと魅力が分らん罪な大人の映画です。
その脚本を心行くまで堪能できる罪な本。時代背景や演出解説なども収録されている非常に良い出来。対訳なのでどのセリフがどういう日本語に訳されれていたかを細かく知ることができます。
この映画見た人で満足出来た人、これから観たいと思っている人、既に見た人等も予習として復習として映画の深い理解に実に役に立ちます。美しい英文と作品解説眺めるだけでも価値があります。
文句無し。星五つ。
2012 Ford Focus self-parking tech demo
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ゴスフォード・パーク ウェブ
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