光栄ゲームミュージック・ワークス~菅野よう子コレクション
最近のアニメ寄りの菅野よう子にも共通しますが、昔から続けてる本人のメインとするピアノやキーボードの音の趣向が一番分かり安いアルバムとなっています。
とくに、名曲と呼ばれてる数々を抑えてあるので、これぞ菅野よう子の音というものを感じとれます。
この頃のコーエーは、アルバムそのものに一曲ずつレビューを載せていたり
ジャケットを見ても分かるように、ゲーム音楽というより生の音楽を楽しもうとするイメージも強いですね。
コーエー定番シリーズ 信長の野望 全国版
なんと言っても最大の魅力は、5本のシナリオ、メッセージがそれぞれの地方の方言になる方言モード、敵国にダメージを与える「忍者」などと言う様々な機能があると言うことです。
ただ、パッケージが少し地味ということがありました。
信長の野望サウンド・ヒストリー
ゲームをプレイしていない人は興味がないかもしれませんが、信長の野望シリーズのBGMは結構よくできていて、TVのバラエティ番組のBGMでもよく掛かっています。
いわばそのベスト盤とも言えるこのCDは、ドラマチックなオープニングとエンディングが中心の選曲になっています。これはこれでよいのですが、個人的にはこのゲームのBGMでは内政フェーズのBGMが気に入っていた(というか長時間プレイしていて脳味噌に染み付いた)ので、そういう曲をもう少し沢山入れてくれた方がよかったと思います。その分星を二つ減らしました。
「信長の野望 全国版」「三國志」
菅野よう子さんが担当した「信長の野望」5作品の中では最古参になる作品です(この全・国・版のほかに、戦国群雄伝、武将風雲録、霸王伝、天翔記があり、CDの発売日では、戦国群雄伝のほうが古くなっていますが、作品としては、全国版のほうが古いです)。
同時期に制作された他の光栄担当作品のように、今のような派手さは残念ながらありませんが、至る所に菅野さんらしい豊かな広い世界を感じることのできる佳作です。特に「2. 現世夢幻」「5. 賛歌」はオーケストラをバックに菅野さんの柔らかなピアノが流れる秀作。また、この後「大航海時代II」ほか光栄作品で聴くことになる、パーカッションとソロの弦、それにピアノが競演するスタイルは「4. 比叡山燃ゆ」からはじまりました。戦国ものとは思えない演奏には、その後の菅野さんの恟恟しいまでの才能を予感させます。
「三國志」のほうでも、古楽器を巧みに使った「7. 桃園の近い」や、やはりピアノの優しい旋律が心に響く「11. 古」がお勧めです。霜月智恵子さんによるヴォーカル曲「6. 蒼い朝」「10. 季節の変わる頃」も、当時のゲームサウンドトラックとは思えないクォリティで良作です。
残念ながら、このCDは廃盤になってしまっていますが、「2. 現世夢幻」は、「信長の野望 二十周年記念サウンド・ヒストリー」に収録されていますから、こちらで聴いてみるのもよいでしょう。