ブルジョワジーの密かな愉しみ 【ベスト・ライブラリー 1500円:隠れた名作特集】 [DVD]
ブニュエルらは脚本を作るにあたって、繰り返しということを重要視したらしい。
繰り返しによって、物語を観客の記憶に定着させる?もしくは繰り返しは喜劇となる(マルクスの言うように?)?
この映画にははじめから、終わりまでブルジョワジーしか出てこないのだが、さて、その秘かな愉しみとはなんだったのであろうか?
セネシャルの家に夕食を招かれたミランダ国の大使、テブノ、テブノ夫人、そしてテブノの妹が、セネシャルの家に着くと、セネシャル夫人は「明日のはずです」と言い放つ。どうやら、どこかで間違いがあったらしい。一行はセネシャル夫人も誘って、車でレストランに向かうと、なんと、その朝死んだという店主の遺体が隣に部屋の隣に置かれていた!
再び、一行は日を変えてセネシャル家に向かうと、セネシャル夫妻はセックスを邪魔されたくないので、窓から庭に逃げてしまい、一行は食事をあきらめてしまう。残されたセネシャル夫妻の元に司教が庭師として雇ってくれと訪ねてきて・・・。
客たちがなぜセネシャル家を急いで後にしたかというと、彼らは外交官を隠れ蓑に麻薬の取引をやっているのだ。
その後も、彼らが食事をしようとすると騎兵連隊がやってきたり、刑事が麻薬取引の疑いで来たり・・・。
そんなこんなのさなか、ある上等兵の兵営入りの日の思い出(殺人の思い出)や、ある刑事の思い出(殺人の思い出)などなどが挿入され、話の筋は、誰かの夢なのか、現実なのか分からなくなる。
やっと食事にありついたと思うと、今度はテロリストの銃により一行は殺されるのだが、それも誰かの夢で・・・。
最後の、田舎の一本道を横になってあるくブルジョワジー一行はいったいどこにむかうのであろうか?やはり食事?
オークションでブニュエルの「嵐が丘」を手に入れ、つい見てしまった「ブルジョワジーの秘かな愉しみ」でしたが、やはり映画って面白いですねぇ。くすくす笑ってしまいました。
ブルジョワジーの秘かな愉しみ [DVD]
この作品は1973年の米国アカデミー賞外国語映画賞を受賞しましたが、ノミネート後のインタビューでルイス・ブニュエル監督は持ち前のブラックユーモアで「受賞の自信は有る。彼らの要求する金は払ったから。」と冗談を飛ばしたことから、アカデミー賞委員会が否定に躍起となったという曰く因縁のある傑作です。 かつては入手困難で、プレミアが付いて取引されていたこの作品が1000円台で購入出来るとは隔世の感が有ります。
ブルジョワジーの密かな愉しみ [DVD]
登場人物の金持たちが 要はなんとしても食事にありつけないという着想だけで作り上げた空前絶後のブラックコメディー。各場面が常に誰かの夢であるという設定は その後日本で「時をかける少女」でコピーされかことも記憶にまだ新しいものがある。それにしても こんな映画が製作できること自体素晴らしい。欧州映画の奥深さである。日本映画にも こんな余裕が欲しいと思うのは 我儘なのだろうか?
ブルジョワジーの秘かな愉しみ
この人のライブ見にいったら、なんだか女性ファンだらけで困ったね。それはルックスいいからしかたがないさ(日本はルックス天国)。鍵盤奏者としては非常にバランスのよい人物で、日本に生まれたのがもったいない人材。アルバムはヨーロッパ趣味が全開。クラッシックがこの人のベースにあるのでインスト部はもろにプログレだ。それもかなり正確なテクニックだ。今回のコンセプトはクラシカルなニューエイジ風サウンド+AORみたい。がしかし血が騒ぐらしく『ポルタメントかかったシンセソロをかならずやる』。テクニカルプログレみたいな楽曲ではなぜだか元気いいですね。全体の統一感がもっとあればいいのだが。
10点中6点 ボーカルが弱い
ブルジョワジーの密かな愉しみ(紙ジャケット仕様)
難波弘之氏の最高傑作、という呼び声の高い、傑作アルバム。タイトル通り、厚みのあるゴージャスな演奏と、ロマンティックなメロディ・ラインが素晴らしいです。昔、『夢見るように眠りたい』という映画があったと思うけど、これは、《夢見るように楽しみたい》、純音楽的な魅力溢れる、傑作だと思います。