時代劇マガジン Vol.17 (タツミムック)
現在公開中の映画『椿三十郎』(監督・森田芳光、主演・織田裕二)の特集が組まれていたことで創刊から5年目にして今回初めて読破した次第である。以前から気になる特集記事に関してはよく目を通しており、今号で『椿三十郎』による製作総指揮・角川春樹氏、監督・森田芳光氏、主演・織田裕二氏のインタビューで角川氏のリメイク権取得に至った事や森田氏を監督に決定した経緯、森田氏と殺陣師の対談で黒澤明監督の『椿三十郎』に対抗し、殺陣の間合いや呼吸、音へのこだわりへの挿話、織田氏の“椿三十郎”というキャラクターへの思いや意気込みが熱く感じられました。
また2008年秋公開予定の『次郎長三国志』で叔父・マキノ雅弘監督の往年の作品のリメイクに挑む監督・マキノ雅彦(津川雅彦)氏や主演・清水の次郎長役の中井貴一氏のインタビューや撮影現場リポート、共演者も鈴木京香、岸部一徳、笹野高史、北村一輝、温水洋一、大友康平、高岡早紀、木村佳乃、前田亜季、長門裕之、荻野目慶子、竹内力、佐藤浩市(以上敬称略)といった錚々たるオールキャストの大型時代劇で必見であろう。
他にも豊臣秀吉の正室であり、戦国の乱世を生き抜く女・淀君(茶々)の波乱に満ちた半生を描いた現在公開中の映画『茶々-天涯の貴妃(おんな)』(監督・橋本一、主演・和央ようか)や今まで幾度となく映画化されてきた人気のダークヒーロー“座頭市”が女性となって蘇える『ICHI』(監督・曽利文彦、主演・綾瀬はるか、2008年公開予定)も楽しみである。
最後に『必殺仕事人』で錺(かざり)職人の秀役で人気を博した三田村邦彦氏のインタビューで本当は人殺しの役が嫌で撮影期間中、夢にうなされたり、身体に発疹が出るなど当時の苦労話を語られていました。それでもプロデューサーの一言が三田村氏の気持ちを変え、『必殺』が長寿の人気シリーズとして支えられたことがよくわかりました。
NHK正月時代劇 雪之丞変化 (2枚組) [DVD]
1月にドラマ見たンだけどなンかすごく感動しましたッ!!
タッキーの演技は全部すばらしかッたです!!GREAT!!
タッキーのファンで1月にドラマ見逃したァ!!という人は絶対買うべしッ!!
ドラマ見たけど私は買います!!
だッてタッキー大好きだし♪
ドラマ見た時からDVD欲しいと思ッてたから☆★☆
雪之丞変化 [VHS]
昭和10年の作品だけあって、長谷川一夫(当時の芸名は、林長二郎)が若々しく怪しいほどの完璧な美しさです。
今の芸能人には見られない完璧な美貌を見ることが出来ます。
物語は、親の敵を打つ歌舞伎の女形が主人公・・というものです。
長谷川一夫はこの映画の中でなんと3役も演じております。
その中で彼は、主人公の母親も演じているのですが、それが本当に完璧な美女に見えるので驚きでした。
後の市川昆監督の同名の映画では、長谷川一夫も随分と年をとっていたので、同役での女装はかなりキツイものがありました。
映画全体を見ても、この昭和10年のものの方がスケールも大きく、ずっと素晴らしい出来ばえになっています。
とにかく何処をとっても「安っぽさ」を全く感じさせない大作に仕上がっています。
観ていると江戸時代にタイムスリップできる映画No1という感じです!
雪之丞変化〈上〉 (大衆文学館)
敵討ちの大望を秘めた女形雪之丞が艶やかに狡猾に、敵である元長崎奉行達に迫っていくストーリーは、
時代小説の設定ではありがちかもしれませんが、この話は他の登場人物たちが活きています。
深く感動したり、じっくり考えさせられたり、ということは無い話です。ただ、読み終わったときに「あぁ、面白かった」と言えるキャラを活かしたストーリー。
それに「何か読み物を…」と思ったときに思わず手が出てしまう読みやすさ。
上下巻の2冊ですが、あっという間に読めます。
手軽で面白い時代小説をお探しの方は是非どうぞ。
雪之丞変化 [VHS]
市川監督が、名優長谷川一夫を軸に山本富士子、市川雷蔵、勝新太郎、若尾文子、中村雁治郎ら豪華なメンバーをずらりと配しておくる一大娯楽時代劇。
人気女形の雪之丞が密かに剣術を会得し、狙うは親の敵討ち。
仇の娘(若尾)が彼に惚れたのにつけこみ復讐の機会を窺うが、娘の一途な思いに苦悩もする。
そしてふとしたことから彼と知り合い、ことの成り行きを見守る盗賊の闇太郎(長谷川の二役)。
面白いのは、雪之丞にぞっこんになってしまうスリの女役の山本富士子と、闇太郎に分不相応なライバル心を抱く三下盗賊の昼太郎(市川)の名コメディアンぶり。
特に山本のあけすけで伝法な口調、そしてそのことによって更に生き生きと輝きを増した彼女の美しさ!
「惚れちまったから私を抱いと!くれ、言うことをきかないなら秘密をばらす、それでもきかなきゃ殺してやる」「どう言われようがあきらめきれねえ、こちとら女でございますんでねえ」など、言ってることもその行動もうめちゃくちゃ。
映画の登場人物で、これほど魅力的な女を僕は知らない。
各俳優の演技も市川監督独特の映像手法も全編を彩っている名画だが、山本の輝きはそれら全てを凌駕した。
やはり彼女は名優だ。