自然流育児のすすめ―小児科医からのアドバイス
自然育児のことやその方法について書かれた本はたくさんありますが、
この本ほど、シンプルに、かつ内容が充実しているものは
ないような気がします。
食べ物のこと、予防接種のこと、子どもの病気のこと、
毎日の生活リズムのこと・・・等々、内容は広範囲。
多くの子どもたちを診てきた小児科医の言葉は実に説得力があります。
これから子育てをする方々には、良い目標となるでしょうし、
今、子育て真っ最中な方には、嬉しいチェックリスト本となるでしょう。
子育てをしていると、読書をする時間をつくるのも大変です。
でも、この本は字がとても大きく、わかりやすく章立てされているので、
きっと、あっという間に読めますよ。
我が家では、時折読み返しては、自分たちの子育てを確認する
「育児の柱」のような大切な一冊です。
予防接種は「効く」のか? ワクチン嫌いを考える (光文社新書)
何かと感情的になってしまうワクチン問題。
事なかれ主義のはびこるワクチン問題。そのなかで本書は
「中立的で鋭い観察が行われている良書」である。
自閉症と予防接種の関係についての章が設けてあり、きちっと否定論が述べてあることも好もしい。
「MMRの摂取が自閉症を引き起こす」うそである。
金をもらい、論文を捏造した英国の意志は医師資格を剥奪されている。
「ワクチンの防腐剤チメロサールが自閉症を引き起こす」うそである。
チメロサールはエチル水銀だが、水銀が自閉症を引き起こすことはないのに、
この説は、まるで、NASAの月着陸捏造説のように何年かに一度亡霊のように蘇り、
馬鹿なテレビディレクターやテレビ記者が飛びついて問題を起こすのである。
お母さんのためのワクチン接種ガイド
「ワクチンの良さを説明するのは、欠点を指摘するより難しい。」
小児科医が抱える悩みです。
実際に、ワクチン接種に反対する本はマスコミも取り上げるので目立ちますが、接種を勧める本は目立ちません。
さて、この本は「ワクチンを正しく理解し、接種が必要かどうか考えましょう」という内容であり、日本全国の小児科医が発刊を待ち望んだ本です。編集者の「VPD(ワクチンで防げる病気)を知って、子どもを守ろう。」の会 は日本全国の小児科医有志の集まり、監修の薗部 友良 先生(日赤医療センター)はその代表です。
※ 「VPD」で検索するとホームページがヒットしますのでご参照ください。
イラストを交えた内容はとてもわかりやすく、また接種の際の不安・疑問にも丁寧に回答が用意されており、子どもを持つお母さん・お父さんに是非とも読んでいただきたいお勧めの本です。
ワクチンは子どもを傷つけるために造られたものではなく、罹ると重症化する感染症、でも根本的な治療法がない病気に対して、人間の英知を駆使して開発されてきた医薬品です。いわば「善意の塊」。しかし残念ながら医薬品に100%完璧なものはありません。
このことを理解し、自分の子どもの健康を守るためにワクチンが必要なのかどうかを考えていただくきっかけになる本でもあります。
マイナス1点にしたのは、ジフテリアなど小児科医にも縁遠い感染症の説明にもページが割かれていることと、接種の要否を考える際のデータ(対象となる感染症の頻度・重症度とワクチンの副反応の頻度・重症度・・・表にまとめて一目で比較できることが望ましい)が不足していると思われたためです。
この本は予防接種医療の啓蒙書としてスタンダードになっていくと思われます。今後も改訂を繰り返して優れた書籍であり続けることを期待します。