デジタルデビル物語女神転生
いまだに中古で売っている事に感激です。強い悪魔さえ仲間にすれば簡単なゲームです。クリア後の裏面はシリーズ中トップクラスの難易度です。スーパーファミコン版の旧約で裏面が遊べるかどうか知りませんが、このファミコン版はエンディング後しばらく置くだけで裏面がスタートします
TOKUMA Anime Collection『デジタル・デビル物語 女神転生』 [DVD]
西谷史が1986年に発表したSFホラー小説「デジタル・デビル・ストーリー・女神転生」をアニメーション映画化したものです。
女神転生というと、PC-88、PC-98、ファミコン、スーパーファミコンからサターン、プレイステーション、そしていまだにストーリーを変えながら存続しているゲームのブランドなので、ゲームのために作られたブランドと思っている方も多いかと思います。
実はゲームのほうこそが本作と小説を基に作られたタイアップ商品です。
そして、この「デジタル・デビル物語 女神転生」こそが全てのゲームの原作なのです。
ですから、この「デジタル・デビル物語 女神転生」は人気のある作品の人気にあやかって作られた安易なアニメとはまったく異なります。
発表は1987年で既に20年以上前に公開されたアニメーション作品ですが、この当時はこのアニメから派生したゲームが20年後までこれほどの人気ブランドになるなど誰も予想できなかったでしょう。
「女神転生」のシリーズは徳間書店がアニメージュ文庫で出した上記の小説が最初で、本作はその小説のアニメーション化であり、全ての「女神転生」ブランドの作品で第2段。
(小説を抜きにして映像・ゲームといった電子メディアによるブランドでは記念すべき第一作!!)
今のメガテンのようなスタイルが確立される前のものですので、今のメガテンのノリに慣れた方が観たら、全ての原作である本作のあまりにホラーな雰囲気に驚くと思います。
1980年代は小説や漫画からアニメやゲームを派生させてそれらの人気を高め、相乗効果で一大ブランドを立ち上げるというビジネスモデルを「メディアミックス」と呼び、盛んに行われていました。
今では「ドラゴンボール」や「ガンダム」等の成功からもわかるように、これらは当たり前すぎる手法ですが、ゲームやアニメの製作会社自体が少なく、大変な作業だったあの当時はきわめて挑戦的な戦略だったわけです。
それをするために、徳間書店は映画会社を買い取ったり、アニメーション製作会社を設立したり(あのスタジオ・ジブリもこの頃徳間書店によって設立された)と徳間グループを結成するほどでした。
結局、女神転生のシリーズはゲームが最も長命を保ち、小説やアニメのほうはわずかに製作されたにとどまりましたが、そこには作品の出来というよりグループの解散などの様々なやむをえない事情があったためで、それが実に悔やまれます。
そのメディアミックス黄金時代に非常に力を入れていたのが「女神転生」ですから、過去の様々な人々の力の結集なので「メガテン」シリーズが面白いのも当然です。
そういう意味でも、本作はメガテンのファンなら観ておいて損のない歴史的な作品です。
ストーリーは完全にホラー映画を目指しています。
今のメガテンのように悪魔がたいしたことのないザコといったノリではなく、「エクソシスト」(1973年アメリカ)のような、人知を超えた恐るべき存在といったテイストがちゃんとでています。
コンピュータによって悪魔償還を行う、というアイデアは非常に秀逸でした。
実はその前にアメリカで1981年にデビルスピーク(EVILSPEAK)という同様のアイデアの作品がありました。
主人公、中島朱実、白鷺弓子が実は日本の古代神話のイザナギ、イザナミの生まれ変わりで、ロキやセトといった北欧神話やエジプト古代の神との対決など、無国籍の神様や悪魔の対決というのは「闇の密霊師」 芝田英行(1985年少年チャンピオン)など、日本では漫画でもすでにあったものです。
悪魔合体というアイデアもデビルマン(永井豪・1972年少年マガジン)で確立されています。
それら、過去の優れた作品の様々な良いアイデアをうまく取り入れているため、後にストーリーが発展しやすいともいえます。
45分というのはいささか短めで、もうちょっとストーリーを凝ってもいい気もしますが、エンディングのホラーなノリなども良くまとまっていて、あの時代のオカルト・コミック的なストーリーはホラー映画好きなら結構ハマれます。
愛蔵版 女神転生 デジタル・デビル・ストーリー (fukkan .com)
小学生の頃、西谷史 氏の小説『デジタルデビルストーリー』シリーズにハマっていた。
一巻『女神転生』はアニメ、さらにはnamcoからファミコンソフト化され、後にアトラスの人気ソフト『真・女神転生(通称・メガテン)』シリーズの原作となった。
メガテンを御存知の方は周知の事だが、ゲームの魅力は何と言っても「悪魔召喚」である(メガテンでは登場モンスターを全て悪魔と呼ぶ)。
主人公が契約した悪魔は、コンピューターの「悪魔召喚プログラム」によって召喚、戦闘に参加させる事が出来る。
小説では、コンピューター理論と魔術理論が酷似している事に気づいた主人公・中島(イザナギが現世に転生した姿)が作成したプログラムで、これにより世界に悪魔が放たれてしまう。
中島は弓子(イザナミが現世に転生した姿)と恋に落ち、悪魔たちと戦うが、「悪魔を呼び出した犯罪者」として社会から糾弾され、中島は精神異常をきたし、覚醒したイザナミの手によって殺される。
何かが現世に転生する、という話が西谷史の特徴的な作風なのだが、主人公がダークヒーローというのも面白かった。
また、日本神話のイザナギが悪魔召喚プログラムを作ってギリシャ神話に出てくる魔獣ケルベロスを召喚して使役したり、北欧神話のロキと戦ったり、と世界中の神話からエッセンスを抽出した作品作りが魅力的であった。
ゲームでもこれは活かされており、インドのディーヴァ神族やキリスト教の天使たち、中南米の神々やエジプトの神々、果ては都市伝説に至るまで、あらゆる出自の神々、モンスターを集結させている。
アトラスの看板ゲームとなって久しいが、小説は絶版になっていた。
しかし、著者が全面的な改稿を施した『愛蔵版 デジタル・デビル・ストーリー 女神転生』がブッキングより復刊されたのだ。
この機会に読んでみてはどうだろうか?
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原作小説のダイジェスト版と言っていいかも。作画は(制作された当時としては)かなり綺麗な部類に入ると思う。
45分と時間が短すぎるせいか、シナリオや設定をかなり端折ってしまっているのが残念でならない。
主人公二人(中島朱実と白鷺弓子)の絡みと心理描写が淡白すぎる。とてもじゃないが、「恋人たち」には見えないよ。
どうせなら一時間半くらいの長さにして、原作にもっと忠実な脚本・世界観にして欲しかった……。
原作は原作、アニメはアニメとして割り切って考えた方がいいかもしれない。
映像化する時期が10年早すぎたように思う。
……原作小説への深い愛情ゆえに、どうしても辛辣な意見・感想になってしまいます……。ごめんなさい。