New Orleans Piano: Blues Originals 2
マジで聴きすぎてレコードがすり切れた。Crawish Fiestaはもちろん名盤だが,かつてはこのアトランティック編集盤がロングヘアの基本だった。演奏は粗いし録音もよくないけれど,それも味わいというもの。深いユーモアで満たされたニューオリンズ黒人音楽の深みにはまるための1枚。
クロウフィッシュ・フィエスタ
ニューオーリンズのフォンキー・グールー・ピアニスト、フェス(プロフェッサーの愛称)の事実上の遺作。眠るように(…実際、眠っている間に永の眠りに就かれたらしい)この世を去ってしまったのが本作収録の2ヶ月後であり、その日が米国内での本作発表当日であったというのはあまりにも有名な話だ。そんないわくつきの作品ではあるが、内容はまさしくフェスの最高傑作というに相応しい仕上がりになっている。代表作「Big Chief」を始め再演が多いが、生前の彼がギグでは常にそうだったように、どの曲も従前と異なるスタイルで演奏されているので聴き応えも迫力も充分だ。聴けば聴くほど、彼が鬼籍に入ってしまったことが悔やまれる、そんな名盤です。かつて彼のことを、ニューオーリンズのピアノの名手、アレン・トゥーサンが“ロックのバッハ”と表し、最大級の賛辞と敬意を送り続けていたこともよく理解できます。