松たか子主演「櫂」 [DVD]
本当に透明感のある演技で、実在していたかのような錯覚をおこされる
演技です。松たか子は、ズバぬけて美人という訳でもないけど
見ているうちにどんどんその姿や顔がきれいに見えてくる女優さんで
気品があるので、時代物も難なくこなしてしまいます。
なんとなくこれを見て、大河ドラマ主演を見てみたい!!と
思ってしまいました。
NHKは本当にドラマを丁寧に作っていて役者にも妥協がなくて
安心感がありますよね。
タイトルの「櫂」の意味は全編を通して、女性が自分の足で立って
自分で生きていくという事を示しているのですが
すばらしかったです。
宮尾登美子原作で松たか子のドラマのシリーズを
もっと見てみたいです!
新装版 天璋院篤姫(上) (講談社文庫)
大河ドラマの原作を読むと、テレビでは省かれている点や、演出の都合で新たな人物が登場していたり、補足になります。今和泉の父にも側室がいたのか・・・とか。この一冊でドラマ半年分の脚本を書いた作家には驚きます。
錦 (中公文庫)
構想30年!だそうです。
昔の女性の憧れ・龍村の帯の創業者の物語。
帯といえど、あらゆる織り方を考案し、芸術の域まで高め、さらには大名家やシルクロードの錦を再現する主人公ののめりこみっぷりが描かれている。
彼をめぐる3人の女性もこの小説の大切なキー。本妻、二号さん、そして男女関係はないが彼の仕事ぶりに10代のころから焦がれ、影のように寄り添う女。
芸術家の苦悩もすさまじいが、彼に振り回される周りの人間の悲惨と喜びの落差のすごいこと!
宮尾さんの筆致も、すっかり落ち着いたかんがあり、正直、昔の迫力はない気もするので☆4つです。
東福門院和子の涙 (講談社文庫)
「婦人画報」に連載されていた作品。女性読者をターゲットにした作品と言える。
東福門院が8歳のときから亡くなるまで、奉公を続けたゆきという老婆が、自分だけが知る東福門院和子の生涯を一晩で語るという想定。文庫版で500ページを超す大作である。本文はすべて、ゆきの語り口調で進む。心の中でその語り口調をゆっくり楽しみたい。姫の側に生涯仕えた女性の立場で、主の悲しみ、側に仕える者たちの感情を赤裸々に伝える。あくまでも、将軍家から朝廷に嫁いだ一人の女性に仕えた女性の主観で語られる。そういった描かれ方を素直に受け入れて楽しみたい。
その点で、歴史的事実や客観性を求められる読者には、やや不満を残す作品かも知れない。後水尾天皇の立場から描かれた作品があれば、ぜひ読んでみたいと思う。