義経になった男(一)三人の義経 (ハルキ文庫 ひ 7-3 時代小説文庫)
SF作品『エリ・エリ』で有名な作者ですが
新聞連載の時代小説が単行本(文庫)として刊行されました。
まったく新しい義経像が描かれているため賛否がわかれるかもしれませんが
ハマれば楽しく読める作品です。
本作が時代小説デビュー作になりますが
作者自身、今後も時代小説を続けていくとの話を聞きましたので
そのスタートがここということになりそうです。
百物語〈第9夜〉実録怪談集 (ハルキ・ホラー文庫)
著者の百物語シリーズも、9年目。
毎回、楽しみに読んでいる。
「すべて実話」というのが、
他の百物語と大きく違うところだ。
なかでも今回は
「カミサマ」と呼ばれる地元の霊能者が
何度も登場していて、気になる。
きっと「カミサマ」は一生、
テレビの霊能者特集なんかに出たりせず、
地元の知る人ぞ知る存在なんだろうなあと思う。
あとがきに書かれた後日談も、
フィクションではなく、
あくまで実話なので、
わざとらしいオチはない。
だが、それがいい。
一年に一度、著者の百物語を読むことで、
毎年、百物語の会に招待されているような気分になれる。
「来年もまた」そう言いながら最後のページを閉じると、
あれほど暑かったのに、全身がひんやり涼しくなっていた。
百物語 第10夜―実録怪談集 (ハルキ・ホラー文庫 ひ 2-10)
おなじみのシリーズですが、著者が東北在住の方なので震災にまつわる不思議な話も入っています。敢えて怪談とは言いたくない怖良い話でした。ですが別の著者の別の本にも同じような怖良い話が掲載されていて、あの震災で不思議な存在に救われた命が沢山あるのかと、東北地方の神秘と優しさを感じさせられました。