街の灯
消し壷、こおろぎ、雪の音、たまご舟、など。比較的さらっとした短編集。
上村一夫にこってり感を求める人にとっては渋過ぎる作品であるかもしれません。
しかしよくこの時期の作品を集めてきたものだなあと出版社に感謝したいです。
上村作品をコンプリートしたい人向け。
修羅雪姫 怨み恋歌 [DVD]
第一部の悪役は仲谷昇、岡田英次というダンディ系に深作欣二夫人の中原早苗を混ぜた、まあどちらかといえば知性系。それに対して、今回は南原宏治と山本麟一という最凶コンビを岸田森の秘密警察長官が飼い犬にするという、この上ない悪意の世界が展開します。このトリオ、後先考えないで伊丹十三の思想家にペスト菌を注射したり、それが蔓延すると、今度はペストの温床になったスラム街を焼き払ったりと、まあやりたい放題。これだけヒドイメンバーを部下に抱えると、普段は東映ヤクザ映画で絶対に自己に疑問を持たないボスキャラを演じる安部徹ですらさすがに部下の悪逆非道に恐れ慄いて「悪いことはやめようよ」というのが面白い。
この悪役軍団の前ではさすがの梶芽衣子も前作ほどの存在感を示せないのがちょっと残念ですが、まるで怪獣映画並みの悪役たちの暴走ぶりは爽快感すら与えてくれます。『怨み恋歌』というよりも『怨み濃い歌』と読んだ方がしっくり来るほど、濃い俳優さんたちの無法な活躍が楽しめる、地獄絵図みたいだけど楽しい傑作です。
由美かおる DVD-BOX
「しなの川」はDVDが欲しかった作品。
監督:野村芳太郎、脚本:ジェームズ三木、撮影:川又昂、音楽:冨田勲。
錚々たるメンバーが結集して、ただただ由美かおるを綺麗に見せることに尽力した(としか思えない)映画です。
劇画をそのまま映像化したような飛躍の多い展開ですが、主人公を日本のさまざまな風景の中で美しく撮る態度は一貫してします。
由美かおるが本当に綺麗。どんな衣装でどんな場所にいても綺麗。
それだけで星5つの価値があるのでは?
一方、「同棲時代」は、公園のブランコで「命みじかし恋せよ乙女」と歌う場面をはじめパロディ風に仕立てた点が面白い作品。
アンヌ隊員・ひし美ゆり子(こちらはカルトな場面あり)と、「帰ってきたウルトラマン」のルミ子さん・岩崎和子が登場するのも、ある意味豪華キャスト。
修羅雪姫 [DVD]
僕も「KILL BILL」からの流れでこのDVDを購入した者の1人ですが
見て、もう素晴らしいとしか言いようがありません
殺陣も血糊もカメラワークも芸術的です
めちゃかっこいいです
ありえないぐらい血が飛び散って雪(主人公)がどんどん血に染まっていくのがめちゃ綺麗です
話はかなり漫画的というか無理矢理なところはあるのですが
それを感じさせないぐらいグイグイと引き込む何かがあります
転がる樽に入って我慢する修行がいったい何の役にたつのかわかりませんが
そんなことどうでもいいんです
すごいんですから、かっこいいんですから
しかしなんで今はこういうパワーのある作品が作れないんだろうなぁ
目力のある栗山千明ちゃんとか使ったら撮れそう・・・って
あ、もうタランティーノに先越されちゃってますね、GoGo夕張で・・・
日本人は日本ならではの価値を海外の人に示してもらわないと自分たちでは解らないようになってしまったのかなぁ
ちなみに2の怨み恋歌は予告編を見る限りは何かパワーダウンしてそうなので今の所まだ購入してません