Priest Live
せにょ~る、本日は1987年リリースの通算11枚目を御紹介いたします。ヘビーメタルバンドには厳しい状況であったはずのこの当時。ライブアルバムを出す時は基本的に=バンドはネタ切れな状態が多い、契約消化やひとまず長い休暇に入るとかの言い訳になりリリースする場合が多い。ターボと言うアルバムによってかなりのファンを失ったであろうと思われる、いわゆる『迷走状態』であったわけだが。老化していくバンドとの必死の抵抗もその中に含まれる。
でこのアルバム、申し訳ないが=このバンドが徐々にバンド全体の生命力=生命エネルギー=が衰退しているのを暴露しているライブアルバムとなってしまった、新人達がモダンヘビネスという核爆弾を持って星の数程デビューしはじめていた。ファンもあらたな=サウンド覚醒剤=が必要となっていた時期。
アリーナメタルとしてアメリカでコンサートをしていたそれの記録ではあるが、悲しいかな=全盛期の『切れやシャープな豪快なグルーブはここでは正直聞けない、老化したバンドがコマーシャルな方向へシフトした=コマーシャルメタル=という事実を伝えているだけだ。この後、バンドは一見安泰のようにみえるが必死にもがき=ペインキラー/ラムイットダウンというアルバムで最大の危機を迎える。それが感じられ予感できる皮肉なアルバム。10点中3点
ここにブリテッシュスティールの切れ味は存在しない
滲有無
その昔、フジテレビの番組「笑っていいとも」において、B'zのCDを買ったのに
再生してみたらまったく違う内容で、しかも再生するたびに内容が違うという
「呪いのCD」が紹介され、話題になったことがあります。番組で実際にそのCDを
再生すると、おおよそ音楽とは思えない気味の悪い音色、所々聞こえる
うめき声のような声、音が聞こえなくなったかと思えば突然爆音が鳴り響く
等々、誰もが呪いのCDだと疑わぬ内容でした。
しかし、実はこのとき紹介された曲(曲といっていいのか)こそがこの
灰野敬二「滲有無」であったのでした。内容は上記で紹介したとおりの
不気味極まりないものですが、ちゃんとした作品であり当然呪いなどはありません。
もちろん再生するたびに内容が違う、というようなこともありません。
この作品は、上記のような不気味な内容が延々と60分近く続くので
再生するたびに違って聞こえるように錯覚する人も中にはいるのでしょう。
で、問題の評価ですが、好みが100:0ではっきり分かれるような作品なので
星がいくつなどと評価すること自体が無意味にも感じますが
こういう人間の根源的な衝動を表現した音楽作品はほとんどないので
そういう意味での貴重さから星5つとしたいと思います。
発表!知らなきゃイケない!?最新ワード展覧会
笑っていいともの人気コーナー『発表!知らなきゃイケない!?最新ワード展覧会』のDAIGOの間違い回答等から生まれた名曲の数々が、待望のCD化です。
曲は、1番しかないので短いですが、それぞれ個性があって面白いです。
ジャケットも、着せ替えが出来るので、あのコーナーのファンはぜひ購入すべきです。
あと、おまけトラックの水曜レギュラーの歌う「黒い薔薇のかほり」は何気にオススメ。
マボロシの鳥
悪く言えば説教臭く、良く言えば強い信念なり希望を感じる。共感するところも拒絶するところもあり、おもしろい。おもしろいのだけど・・・
作者が言いたいことはガンガン伝わってくる。ただ、そのためにただの悪者が出てくるのは、物語として楽しみたい身としては辟易する(「奇跡の雪」「魔女」他。人間そんなに間抜けじゃないだろう)。
また、強調したい箇所を改行で囲ってみたり、やたら改行したりと、「ここ見て!ここしっかり読んで!」と言わんばかりの構成は、実用書ならともかく、小説でやられては読んでいて煩わしい。
こうした露骨な誘導のためか、さまざまな世界を覗いた著者がそれぞれの世界に批評し、それを読者に論っているように感じてしまう。こうなんです。こうなんです。こうなんです、と。もっともっと想像の翼を広げたいのに、それができない。それこそ、鳥かごに閉じ込められてしまったかのように。
作者が書く評論はきっとおもしろいのだろう、実際に読んでみたいとも思った。しかし、小説として楽しむことはできなかった。もっとも、作者が戦ってきた舞台を考えればそうなってしまうのも当たり前なのかもしれない。今後作者の書く小説がどのように変化してゆくのか、楽しみ。