エメラルド
ウィシング、松岡直也BANDなど、日本のラテン・フュージョンの大御所「松岡直也」のサウンドメイクに携わってきた強者達が一同に会した作品。97年の録音。非常にシンプルな音作りで、いわゆるシンセサイザーなどの電気楽器は殆ど使用されていない。それだけ演奏するミュージシャンの個性がその輪郭をはっきりとさせている。参加ミュージシャンは、ベースに高橋ゲタ夫、フルートに赤城りえ、サックスに佐藤達哉、土岐英史、川嶋哲朗、トロンボーンに向井滋春、大儀見元のパーカッション・・・等々。松岡直也の娘さんもボーカルで参加している。
キューバ音楽(増補新版)
日本初のサルサ・バンド、オルケスタ・デル・ソルの創始メンバーであるトランペッターの吉田憲司氏と、中南米で歌手として活躍する八木啓代氏による名著です。
お二人はキューバ遠征をした伝説のバンド「ハバタンパ」でご一緒でしたので、そのご縁で書かれた本。
全てのラテン音楽のもととなったキューバ音楽の広くて深い世界の成り立ちを知るには、最高の一冊といえるでしょう。
また巻末にあるキューバ音楽の根幹となすリズム「クラーベ」についての解説は、たぶん吉田氏の筆になるものと思われますが、非常に興味深い考察がなされています。
キューバ音楽に限らず、音楽好きなら一読すべき。
ラテンに学ぶ幸せな生き方 (講談社プラスアルファ新書)
ラテンアメリカで歌手として活躍されている八木啓代さんの最新著作。
これまでも八木さんの本は数冊読んでいるが、どれもこれも読みやすく、内容も目からウロコが多いので、今作も期待して読んだ。
今回のテーマは、「人間にとっての幸福とは?」
今日本では、ここ10年に渡って自殺者年間3万人を超え続けており(八木さん曰く、「自殺」とカウントされない自殺も入れると10万人くらいになるのではという話もある)、幸福と感じていない人の割合がどうも高いのでは?一方、日本のちょうど裏側に当たるラテンアメリカ諸国では、日本に比べて物質的には豊でないし、経済的にも貧富の差がまだまだ大きいのに、日本と比較するとなぜか幸福度は高い。
なぜか??は、実際に本を読んで見てほしい。様々な例が、「なるほどなあ」と思い当たるところが多い。
ただ、本書は「だから日本はまだマシ」とかで現状を肯定するものではない(大体が帯に「超格差も貧困も『しょうがない』で割り切っちゃう」と書いてしまっているが、これは本書の内容に対して誤解を生むかもしれない)。この日本の閉塞現状を打破するための「たたかい方を工夫せよ」というメッセージだと私は思う。
リアルタイムメディアが動かす社会: 市民運動・世論形成・ジャーナリズムの新たな地平
「ネット社会のデマに惑わされないように」「ネットは危険だから慎重に利用するように」など、世界標準では石器時代のような言説が堂々と罷り通る日本のマスメディア…。
そんな風評にウンザリしている人にこの一冊!
海外のネット事情にも精通した講師陣が、世界で今何が起こっているのか?日本で何が起ころうとしているのか?多角的に解説されています。
最近原発関連本を読み漁ってるんですが、その角度から読んでも非常に興味深かったです。
「混沌の今に、ちっぽけな自分でも何かができる!」そう思えました。