オグリの子
なんとも懐かしい感の小説である。「たにし」「鬼やんま」「オグリの子」の3篇からなる本作品は、子供と子供時代にしかない時間の流れみたいなものを、とてもうまく丁寧に描いている。遠く過ぎ去った夏の日。田んぼ。高い空。遊んで寝て、何かに夢中になって・・・。そうだった人もそうでなかった人も、きっと子供時代って、こんなふうだったような気がするはず。「鬼やんま」の、兄弟二人のやりとりや、夏の焦げつくようなじりじりした暑さがリアルで、好きです。「オグリの子」の、ナオト、ユウ、コージの三人がお互いの違いを認めながら、友情を深めていく様子は、よくある少年ものだけど、やっぱり子供の成長する様は心うたれます。まわりの大人の言動をよくみて、自分なりに消化する作業が子供を成長させるんだなあと、再認識。彼らとともに私も、もう一回子供時代を追体験させてもらいました。
オニヤンマ空へ (のびのび・えほん)
生後まもなく死んでしまった主人公の妹。その妹のお墓参りに行った後、少年はヤゴを見つけます。家に帰ってしばらくすると、ヤゴはオニヤンマに変わりました。その姿と死んだ妹がダブった少年は、一人でオニヤンマを逃がしてやろうと、見つけた場所まで行きます。そこはバスにのらなくてはいけない、少年にとっては遠い場所。おまけに外は激しい雷雨です。それでも少年はなんとかオニヤンマを空に返すことに成功するのでした。
少年の顔がまるでおにぎりのようで、とても愛嬌があり、親しみの持てる絵です。遠かった死がオニヤンマの誕生との対比で、少年は妹の死を理解できるようになったのではないでしょうか?
うちの4歳の息子も、この本を通してなんとなく死というものを理解できたのではないか?と思いました。
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攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX
今までアクションゲームは、一つのボタンを連打していればなんとかなるようなゲームしかやったことが無かったので、このゲームの操作に慣れるまで一週間くらいかかりました。操作の難しさもありますが、ボタンが変わった配置になっているのも結構な障害でした。
最初のステージを何度もリトライして、手がつりそうになるほど練習したら、なんとか自分の思い通りにキャラを操作することが出来るようになりました。
操作に慣れるまでは大変でしたが、その分慣れてしまうと爽快感がかなりありました。
最初は何度も落下して失敗していましたが、慣れると壁ジャンプしたり、飛び降りたりといった縦の動きが本当に楽しいです。
キャラゲーだと思って内容には余り期待していなかったのですが、純粋にゲームとしても面白かったと思います。
SIMPLE DSシリーズ Vol.3 THE 虫とり王国~新種発見!ノコギリカブト!?~
アイテムなどを装備したり虫を鑑賞できる自宅画面と、虫を採りに行く外の画面を行き来して、虫をコレクションしていくゲームです。
グルグル回るカーソルをボタンを押す事によって止め、規定の位置に止める事に成功すれば捕獲成功、という文面上は簡単そうに見えるシステムですが、実際は飛行系の虫はカーソルの回転速度が恐ろしく速かったりしてやや難しめかなと思います。補助アイテムを作ると速度が少し下がったりしますが、もはや動体視力の劣る大人の自分には辛かったです。試していませんが、通信プレイで虫の交換等もできるようです。
自宅画面にて「虫ガシャコロ」という機械で虫を合成して遊ぶ事もできます。組み合わせと運によっては、実際には存在しない奇天烈な虫が出て来る事もあります。タイトルのノコギリカブトもこの類のようです。予期せぬレア虫が生まれるとなかなか嬉しかったです。
しかし、この合成は結構高確率で「失敗」する事もあり、その場合ガシャコロからボロボロと虫の死骸(?)らしき屑が出て来て…。合成は画面上のハンドルをタッチペンで手動で回す方式な事もあり、「ジャリジャリ」という音で虫を潰してる様な嫌な手応えが表現されていて、子供に悪影響を与えやしないかちょっと不安になりました。お子さんに買ってあげる親御さんは、真似しないように要注意ですね。