ショスタコーヴィチ:歌劇「カテリーナ・イズマイロヴァ」映画版 [DVD]
このDVDを買おうとする人は少ないかもしれません。是非みんなに見てもらいたい。この作品の素晴らしさを知って欲しいです。スリルのある休む暇のない激しい歌唱、人間の嫉妬、苦しみの見事な表現。最後のシーンでは呆然とさせられました。とてもおすすめの一品です。
ゾーン — 相場心理学入門
相場をやる人なら、相場がうまく行ってないときなどに精神的な不安定さやメンタル面での落ちこみを経験したことがあると思います。トレードする上で、メンタル面の強化は不可欠と思われますが、実際にどう強化すればいいのかは、ほとんど本にも書かれていませんし、教えてくれる人もいません。
それを教えてくれるのが本書です。マーケットが発する情報はポジティブでもネガティブでもなく、中立であり、ネガティブに感じるのは情報を受け取る人の受け取り方の問題であると解説されています。
実際に情報を中立に捉えて、いかにスムーズにトレードを行うかといったことが解説されています。読むだけでなく、もちろん実行が必要ですが、メンタル面で悩む人には絶対に役に立ちます。
ムソルグスキー:展覧会の絵(ピアノ&オーケストラ版)
原曲はピアノ版なのに、オーケストラ版しか持っていなかったので購入しました。昔、NHKのFM放送でいろいろな演奏家のピアノ演奏を比較して解説していたのを聞いたことがあります。「キエフの大きな門」の出だしの「ターン、ターン・・・」は、1音なのにクレッシェンドの符号が付いているそうで、ピアノ演奏家は、気持ちを込めるか、「タターン、タターン・・・」と鍵盤を叩いたり、あるいは「タタタタタタ・・・・、タタタタタタ・・・・」とトレモロ風に演奏して、クレッシェンドを表現したりしていたのが、興味を引きました。この曲はピアノには無理な要求があるため、いろいろな作曲家がオーケストレーションを試みたのだろうと解説していました。このCDでは普通に演奏しています。そしてオーケストラ版を聴いたあとピアノ版を聴くと、ピアノ版が物足りなく感じます。演奏がいいとか、悪いとかは、好みの問題であり、沢山聴いていないので分かりませんが、ピアノ版とオーケストラ版との比較が面白い!と思います。ベルリン・フィルも世界的な名人オーケストラですので金管楽器ソロも絶品です。録音は一昔前で古いですが、鮮明で自然な音質なので好感が持てます。
ベスト・クラシック100 プレミアム
俺のように最近クラッシックを聴くようになってきた者には結構有難いCDです。
普通の人から見ればクラッシックの題名?は難しいのも多く、聴くと、あ!知ってる!
聴いたことある!この曲好き!などの数多くの名曲が名も知らぬままになっているものも多いと思います。
俺はこのCDでお気に入りの曲の名を知り、レビューなどを参考に購入してます。
要は寄せ集めCDではなく、初心者のナビゲーションCDとして使用してます。
よくこのようなCDがでると、金儲けだとか冒涜だとかイチョモンをつける人がいますが、求めている人がいなければ売れませんし、これで楽しめる人がいればそれでもいいのでは?クラッシックは気軽に聴いてはアカンの?楽しんで聴いたらアカンの?
何の定義をもっての音楽?
あなた方が世界に名を轟かせる作曲家や音楽家なら猛る権利はあるとは思いますが・・
ちなみにロック人間はいつでもウェルカムです!来るもの拒まず!一緒に楽しみましょ!
難しいことはいいのです。ただただ音を楽しみましょう!それが音楽です。
動機も不純でいいのです。そこから本当に好きになっていくこともあるのです。
そんな方々に最適なCDだと思います。
カノンなどで癒され、威風堂々でロックバラード!モーツァルトの交響曲第40番ト短調第1楽章やこのCDには入っていませんが、交響曲第25番ト短長第1楽章などはロックのリズムにも合いノリノリです。
ロック少年にもオススメです。
基本的に音楽にはジャンルの境界線はないのね!と改めて思わせる一品でした。
ちなみに、マイナス★1つは(冒頭)や(抜粋)などで少々ムヤムヤ感が出てしまった為です。
チェルノブイリの森―事故後20年の自然誌
チェルノブイリ原子力発電所事故で放射能汚染された地域の現状のレポート。著者は現状の評価に大変戸惑っている。
汚染地域の放射性物質の濃度は短寿命の核種の消滅で減っているものの、主としてSr(ストロンチウム)90(半減期28.8年)Ce(セシウム)137(半減期30.0年)等の比較的長寿命の核種は今後数百年に渡り汚染地域に残り、環境基準以上の被爆を生物に与え続ける。一方、チェルノブイリの汚染地域は、人類の関与が無くなった結果、豊かな自然が回復して、よほど注意深く見ないと汚染の影響を見いだすことが出来ない。政府の制止を無視して住み続ける人々にも、影響を見つけることは難しい。そもそも放射能汚染が原因での健康被害も、初期のI(ヨウ素)131(半減期8.04日)による甲状腺障害(これはヨウ素剤の適切な配布で防げた)以外は、明白には見えない。
この、汚染防除の難しさと、放射能による自然と人類への障害の少なさと、汚染が図らずももたらした自然の回復の間で著者の心は揺れ動く。レポートはウクライナとベラルーシの汚染地域の様々な場所を訪れ、防除の難しさと回復した自然の美しさを書くことの繰り返しとなっている。同じテーマの変奏曲が延々とあって、日本人には少々油濃い。
とりあえず、読者は著者と一緒に戸惑うしかないのだろう。戸惑いながら、原子炉事故に伴う放射能汚染の特性が頭に残ればいいのではないだろうか。気をつけないといけない核種は、I131,Sr90,Ce137。ヨウ素は半減期が8日と短いので事故直後が勝負。すぐに非放射性のヨウ素を摂取して、放射性のものが入って来ても甲状腺に滞留しないようにする。Srはカルシウムとして挙動するので、骨に入れば比較的長い時間滞留する。γ線を出さないので、どの程度体内に残留しているかの評価が難しい。Ceはカリウムとして挙動する。体内の滞留機関は比較的短いので、摂取しない環境に戻れば数ヶ月で体内から無くなる。γ線を出すので、残留量を測定するのは簡単である。などの事実を知ることが出来た。断片的な知識が体系化されたのは良かったと思う。
私も著者と一緒に戸惑っているわけだが、一つ言えることは、原子力も絶対悪ではなくて他の技術とのバランスで眺めるものなのだろう。「チェルノブイリの森」は原子力をむやみに恐れ、放射能の環境基準を必要以上に厳しく設定することで出現した不思議な自然であると、私には思える。自然は人類が考えるより懐が深い。
訳者のあとがきを見ると、原著にはあまりに図や写真が少なかったので補充したとある。私にはそれでも全然足りないと感じた。西洋人の著書はどれも図版類が少ないのは前から気になっていた。西洋人では書物に図が入ると、子供向けに見られるのだろうか。こちらも不思議だ。